2010-01-01から1年間の記事一覧

2010年の外国映画「私的」ベスト20

などというものを選出してみました。まずは選出について。 2010年に劇場公開された外国映画であることを大前提にしています。 本当は日本映画も対象にしようとしたのですが、観たいけれど観ることのできなかった作品が多すぎてランキングを作れませんでした…

『ノルウェイの森』

12月11日 公開 監督:トラン・アン・ユン 出演:松山ケンイチ/菊地凛子/水原希子 【ストーリー】 高校時代の唯一の親友キズキを突然の自殺で喪ったワタナベは、新しい生活を求め東京の大学に行くが、あるときキズキの恋人だった直子と偶然再会する。同じ悲し…

『白いリボン』

12月4日 公開 原題/英題「DAS WEISSE BAND/THE WHITE RIBBON」 監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ 出演:クリスティアン・フリーデル/エルンスト・ヤコビ/レオニー・ベネシュ/ウルリッヒ・トゥクール/ウルシナ・ラルディ/フィオン・ムーテルト/ミヒャエル・ク…

『SPACE BATTLESHIP ヤマト』

この作品を劇場で観ることには直前まで躊躇していたけれど、ソフト化されてからテレビ画面で観るのもキツそうだなと思ってスクリーンで観ることにした。公開前から様々な評判を聞いていたし、もちろん公開されてからの各所での感想も目にしていたので一切の…

『海炭市叙景』

佐藤泰志の同名小説を、彼の故郷である函館市の企画により映画化された作品。監督は北海道出身の熊切和嘉。原作小説は18編の連作短編集となっているが、もともとの構想は36編、作者自殺により未完とのこと。本作品ではその中から5編を選んで映画用に脚色し…

『シュレック フォーエバー』

シリーズ最終作となる本作品。多くのシリーズ最終作がその第一作へ回帰してゆくように、本作品も「しあわせ」というマンネリな日常を繰り返すシュレックが、以前の皆に怖がられる怪物だった気楽な時代を懐かしんだことが原因で失った現在の「しあわせ」を再…

『キック・アス』

アメコミ原作の映画化。その内容の過激さから製作費が集まらず独立資金で製作、完成後もハリウッド大手スタジオの配給がつかないまま全米公開され、初登場第1位の快挙を遂げている。アメリカ公開時より一部では常に話題になっており、日本公開されないので…

『人生万歳!』

ウッディ・アレン監督作品としては通算40作品目となる本作品。この数年の作品も好きだけれど、この作品の面白さはダントツ。それもそのはずで、本作品の脚本は1970年代半ばに書かれたものを書き直したものとのこと。当時ゼロ・モステル*1のために書き下ろし…

『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』

東陽一6年ぶりの監督作品は、鴨志田穣の同名自伝小説の映画化。脚本と編集も東陽一が手がけている。鴨志田穣は言わずと知れた漫画家 西原理恵子の(元)夫。本作品でも語られる鴨志田穣のアルコール依存症のエピソードは西原理恵子の描くノンフィクション漫画…

『トスカーナの贋作』

@東京フィルメックス 特別招待作品 2011年2月 公開予定 原題「Certified Copy」 監督:アッバス・キアロスタミ 出演:ジュリエット・ビノシュ/ウィリアム・シメル【ストーリー】 イタリア、南トスカーナの小さな町アレッツォで、「贋作」という著作を刊行し…

『リトル・ランボーズ』

数多くのミュージックビデオを手がけた後『銀河ヒッチハイク・ガイド』で劇場映画監督デビューしたガース・ジェニングスによる二作目。ガース・ジェニングスは子供のころ実際に映画『ランボー(原題:FIRST BLOOD)』を真似て友達同士でホームムービーを作って…

第23回 東京国際映画祭

第23回 東京国際映画祭で鑑賞した作品についてのメモ。色々な時間の制約もあって3本しか観ることができなかったが、どれも印象深い作品ばかりでした。 『4枚目の似顔絵』 (東京国際映画祭 アジアの風 台湾電影ルネッサンス2010) 他の子供たちよりも少しだ…

『怪盗グルーの月泥棒 3D』

20世紀FOX在籍中に『アイス・エイジ』シリーズや『ロボッツ』などの製作総指揮を手がけたプロデューサー クリス・メレダンドリがユニバーサル・ピクチャーズ傘下で設立した新会社イルミネーション・エンターテイメントによる作品。しかもアニメーション製作…

『乱暴と待機』

本谷有希子により2005年に上演された同名舞台劇とその後に発売された小説を原作とした作品。監督・脚本・編集を手がけるのは未だ『パビリオン山椒魚』の衝撃が残る冨永昌敬。原作が舞台劇なので仕方ないが、人物設定などを含めた作品世界全体がいかにも演劇…

『冬の小鳥』

監督は本作品が長編デビューとなるウニー・ルコント。本作品は実際に韓国から養子としてフランスに渡った監督の実体験をもとに書かれているが、物語のほとんどはフィクションとのこと。製作は『オアシス』『シークレット・サンシャイン』のイ・チャンドン。…

『シングルマン』

グッチやイヴ・サンローランのデザイナーを勤めたトム・フォードの初監督作品。これが世界中で思いのほか高評価を得ているだけでなく、主演コリン・ファースの演技も評判高く、作品ともども数多くの映画賞も受賞しており話題の多い作品。 10月2日 公開 原題…

『恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜』

2001年と2006年に上演された舞台劇を鴻上尚史自身にて映画用に書き直して監督した作品。舞台版からは大きく改変されており、違う物語と言っても良いほど。もともと鴻上尚史は自身の戯曲を再演する際も大幅改変することは多く、時には全く違う設定を取り入れ…

『ベスト・キッド』

1984年に公開された同名映画のリメイク作品。主演のジェイデン・スミスは『幸せのちから』でデビューしたウィル・スミスの実子。ウィル・スミスとジェイダ・ピンケット・スミスが両親そろって製作に名を連ねている。そして主人公にカンフーを教える師匠役に…

『ヒックとドラゴン』

ドリームワークスによる同名童話の3DフルCGアニメ化作品。純粋な映像化かと思っていたら、原作の世界観だけをベースにして原作の前日談となるような物語を描いたオリジナル・ストーリーだった。これはこれとして充分に面白かったし、映像も見応えがあった。…

『ゾンビランド』

アメリカ公開時の興行成績初登場第一位を獲得し、全米『ゾンビ』映画史上No.1の収益を上げていることで話題の本作品。チラシにある「痛快エンタテインメント・ホラー」という表現がぴったりの娯楽作品になっている。監督は本作品が初長編となるルーベン・フ…

『小さな命が呼ぶとき』

実話を基に脚色を加えた物語で、ハリソン・フォードが出演と併せて企画段階から製作総指揮として参加している。現実にはブレンダン・フレイザー演じる主人公ジョン・クラウリーが関わった学者や実業家などは複数になるらしいが、脚本段階でそうした人々をハ…

『シュアリー・サムデイ』

小栗旬の初監督作品。最初の些細な思いつきから9年を経て映画として完成した作品とのこと。 「バカで最高!」というキャッチコピーからも想像できるように作品の見せ方は総じて漫画的。当然個々のエピソードも登場人物のキャラクター設定もありえないくらい…

『ぼくのエリ 200歳の少女』

ボーイ・ミーツ・ガールな初恋物語なのにホラー映画で、しかもスウェーデン映画という少し珍しい作品。でもこれがとても素晴らしい映画でした。 原作はヨン・アイヴィデ・リンデクヴィストの小説『MORSE ーモールスー』。脚本もこの原作者自身により書かれて…

『宇宙ショーへようこそ』

監督 舛成孝二の初劇場用長編作品とのこと。けれど本作品まで舛成孝二という方を知りませんでした。代表作となる『R.O.D』シリーズや『かみちゅ!』もタイトルは知っていても観たことはない。そんな前提で鑑賞した本作品、いろいろと気になるところはあるけ…

『ザ・ロード』

ヴィゴ・モーテンセン主演による、文明滅亡後の世界をさまよう親子の物語で、最近多く製作されているディストピア・ムービーの一種と言っても良いだろう。原作は『すべての美しい馬』や『ノーカントリー(小説題:血と暴力の国)』のコーマック・マッカーシ…

『ダブル・ミッション』

ジャッキー・チェンのハリウッド進出30周年記念作品、とのこと。いったい出演作品が何本になるのか数える気にもならないジャッキー・チェン映画だが、個人的にはあまり観ない種類の映画であるため、これまでの鑑賞本数も数える程度しかない。そんな私でも「…

『闇の列車、光の旅』

2009年サンダンス映画祭で監督賞を受賞した、キャリー・ジョージ・フクナガの長篇デビュー作。日系3世の父親を持つ日系アメリカ人とのこと。不法移民を作品の主題に置いているが、そのほかに様々なテーマを内包させており、それを96分という時間の中にきち…

『アイアンマン2』

前作の大ヒットを受けて製作された第二作。前作ほどの高揚感を期待するとすこし肩すかしな物語ではありますが、プログラム・ピクチャーとして存分に楽しむことができる作品にはなっている。 6月11日 公開 原題「IRON MAN 2」 監督:ジョン・ファヴロー 出演…

『ACACIA -アカシア-』

『フィラメント』以来6年ぶりとなる辻仁成監督作品であり、アントニオ猪木の初主演作ともなる作品。映画に限ったことではないのだが、それでも特に映画では感想を書くことがむずかしい作品というモノが幾種類かあって、本作品もその一つ。この作品は観る人…

『ローラーガールズ・ダイアリー』

ドリュー・バリモア初監督作品。製作も彼女が共同経営に名を連ねるフラワー・フィルムズによる。総論としては、見て損はしない程度に楽しめる青春映画。主演のエレン・ペイジが可愛いです。 ローラーゲームという競技は全く知らなかったのですが、1970年代に…