2010-01-01から1年間の記事一覧

『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』

ジョニー・トー監督最新作。しかも『ザ・ミッション/非情の掟』、『エグザイル/絆』に続く「ノワール・アクション3部作・完結編」。もうこれだけで観る前から「面白いに決まっている」作品です。 尚、監督インタビューによると、本作品でハードボイルド・…

『パリより愛をこめて』

ピエール・モレルによる『96時間』に続く監督2作目。リュック・ベッソン原案、ヨーロッパ・コープ製作と聞くとどうしても、CG不要の体当たりおバカ・アクション映画を想像してしまう。けれども本作品は比較的真っ当なアクション映画であり、正直かなり楽し…

『9 〜9番目の奇妙な人形』

2005年アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた11分の作品にティム・バートンが惚れ込んで長編映画化された、シェーン・アッカー監督作品。 映像を見ずに場面写真だけを見たときは何の根拠もなくストップモーション・アニメかと思っていたが、…

『第9地区』

もはや何から書いて良いのやらというほど話題の本作品。ゲーム原作の『Halo』が頓挫したことにより比べものにならないほどの低予算で製作がスタートした、ニール・ブロムカンプ長編デビュー作。 4月9日 公開 原題「District 9」 監督:ニール・ブロムカンプ …

『鉄男 THE BULLET MAN』

続編でもリメイクでもない、塚本晋也による『鉄男』シリーズ最新作。『鉄男II/BODY HAMMER』以後、何度も企画として浮き沈みがあったアメリカ版『鉄男』。本作品はその延長として製作され、結果として日本映画となっているが、世界公開を前提としているため…

『17歳の肖像』

主演のキャリー・マリガンが多数の女優賞を受賞・ノミネートしている佳作。英国ジャーナリスト、リン・バーバーによる回顧録を基にベストセラー作家ニック・ホーンビィが脚本を執筆したとのこと。私は2人とも知らなかったが、ニック・ホーンビィの小説は『…

『シャッター アイランド』

マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオ主演コンビ4作目。 多分にもれずスコセッシは大好きな監督なのだけれど、これまた多くの人たちと同様に、ディカプリオ主演の一連の大作映画はどうもイマイチ好きになれずにいる。別にディカプリオが嫌…

『息もできない』

韓国の俳優ヤン・イクチュンによる初監督作品。趣味や思い入れなどを排除すると、今年3本に入るであろうパワーを持っている作品。 父親が母親を怒鳴り殴ることが日常だった幼少時代。成長した子供たちは崩壊した家族を背負って、やはり暴力の世界で金を稼ぐ…

『ロックアウト』

ニューヨーク国際インディペンデント映画祭2009で外国語部門最優秀長編映画賞、最優秀監督賞、最優秀スリラー賞を受賞した、高橋康進監督によるインディーズ作品。 日本の自主製作映画はずいぶん久し振りに観た気がします。若干の物足りなさ感は残りますが、…

『ブルーノ』

『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』のサシャ・バロン・コーエンによる最新作。今回も前作以上にハチャメチャで下世話でクダラナイ作品になっている。「ブルーノ」のキャラクター設定が「ゲイ」であることも大きな要因であろう。…

『ショーシャンクの空に』(1995年公開)

「午前十時の映画祭」の六本木ヒルズ1本目。 この映画祭で上映される50本の中でも一番最近の作品でもある。公開当時に劇場で観ており、レーザーディスクも持っていた。その後DVDも発売され、版権がワーナーに移ってからは再版を繰り返しておりブルーレイ…

『フィールド・オブ・ドリームス』(1990年公開)

「午前十時の映画祭」六本木ヒルズ2本目。 約20年くらい前にVHSで一度だけ観て以来の鑑賞。正直あまり好きな作品ではない、というのが当時の感想。良い映画なんだろうとは理解していたけれど、そもそも野球というよりスポーツ全般に興味がないので、感情移…

『NINE』

フェリーニの『8 1/2』をモチーフにブロードウェイミュージカル化した『NINE』の映画化。少しややこしい。 そもそもミュージカル版があったことすら、映画化されるまで知りませんでした。初演は1982年。しかも翌1983年には日本版が上演されており、主演は細…

『マイレージ、マイライフ』

とても良質なコメディ映画。いろいろなところで言われていることだが、二昔前のハリウッドが持っていた「映画的魅力」にあふれた作品。 3月20日 公開 原題「UP IN THE AIR」 監督:ジェイソン・ライトマン 出演:ジョージ・クルーニー/ヴェラ・ファーミガ/ア…

『コララインとボタンの魔女3D』

いまだ人気の衰えない『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の監督ヘンリー・セリックの最新作。ストップモーション・アニメとしては初めて3Dを前提として製作された作品とのこと。 コレは面白かったですね。観る前の予想を大きく上回っていました。何より…

『ハート・ロッカー』

キャスリン・ビグロー監督最新作。久し振りに名前を聞くなと思っていたら、7年ぶりの新作らしい。2004年のイラクを舞台にした爆発物処理班の物語。だから戦争映画ではなく戦場映画。 3月6日 公開 原題「THE HURT LOCKER」 監督:キャスリン・ビグロー 出演…

『すべて彼女のために』

『クラッシュ』のポール・ハギスによるリメイクが決定しているフランス映画。観ごたえのある映画でした。監督は本作品が初長篇となるフレッド・カヴァイエ。今後の活動に注目です。 2月27日 公開 原題「POUR ELLE」 監督:フレッド・カヴァイエ 出演:ヴァン…

『月に囚われた男』

デヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズの監督ビュー作。 ボウイファンとして個人的にとても観たかった作品。前評判も高く、映画賞も数多く受賞している。それでも父親の名前が大きすぎることがどれほど評価に影響しているのか、興味深くも心配だった…

『50歳の恋愛白書』

戯曲家アーサー・ミラーの娘であるレベッカ・ミラーが小説と同時進行で書き上げた脚本で監督も務めた意欲作。錚々たるキャストがそろった良質な小品。 2月5日 公開 原題「The Private Lives of Pippa Lee」 監督・原作・脚本:レベッカ・ミラー 出演:ロビン…

『抱擁のかけら』

ペドロ・アルモドバル監督作品。『オール・アバウト・マイ・マザー』で市民権を得て以降、すっかりスペイン映画の巨匠となってしまったアルモドバル。多少のブレはあっても充分に安定した作品を撮り続けているため、安心して観ることができる数少ない監督の…

『サベイランス』

デヴィッド・リンチの娘であるジェニファー・リンチ監督作品。 前作『ボクシング・ヘレナ』以来14年ぶりの新作とのこと。 前作もずいぶんと偏った作品だったように記憶しているがあまり覚えていない。そして本作品も決して「まっとう」な作品とは言えないだ…

『Dr.パルナサスの鏡』

テリー・ギリアム監督最新作、 というよりヒース・レジャー急逝による代役の豪華さが話題の本作品。 フタを開けてみれば、 ギリアム色全開の絢爛ファンタジーでした。 1月23日 公開 原題「The Imaginarium Of Doctor Parnassus」 監督:テリー・ギリアム 出…

『かいじゅうたちのいるところ』

異作『マルコヴィッチの穴』のスパイク・ジョーンズ監督最新作。 原作はモーリス・センダックによる同名の世界的ベストセラー絵本。 この作品にはやられました。 子供向けファンタジーなだけの映画ではないだろうとは思っていましたが、 まさかこれほど深い…

『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』

スウェーデン製ミステリー小説の映画化第一弾。 世界的ベストセラーらしいが、私は知りませんでした。けれど、チラシに掲載されていた原作本の装丁を見たら、電車の中吊り広告で執拗に宣伝されていた本であることを思い出した。基本、海外ミステリー小説に興…