2010年の外国映画「私的」ベスト20

などというものを選出してみました。

まずは選出について。
2010年に劇場公開された外国映画であることを大前提にしています。
本当は日本映画も対象にしようとしたのですが、観たいけれど観ることのできなかった作品が多すぎてランキングを作れませんでした。
また10本では納得できず何故か20本になっています。


第1位『冬の小鳥』
今回のベスト選出を考えた時に一番最初に出てきたタイトルであったことも受けての第1位。またこの作品と第2位の『第9地区』は純粋にスクリーンで2度観た作品でもあります。ウニー・ルコント長編初監督作品。


第2位『 第9地区』
何がどうと言うより「楽しかった」作品。設定の巧妙さと語り口のスマートさが抜群でした。また2010年に比較的多いと思われる新人監督作品であることも印象的。


第3位『息もできない』
韓国映画界の底力をまざまざと見せつけられた作品です。こちらもヤン・イクチュンの初監督作品。


第4位『ぼくのエリ 200歳の少女
ベルイマンでもないハレストレムでもないスウェーデンのジャンルムービー。日本語タイトルは最低ですが、イマジネーションの豊かさにクラクラする作品でした。


第5位『かいじゅうたちのいるところ
かいじゅうたちの世界で主人公が「なんでも願いをかなえることができる」と言った時にかいじゅうのリーダーが問いかける「孤独もなんとかできるかな?」というセリフで、椅子から転げ落ちるほどの衝撃を受けた作品。


第6位『(500)日のサマー』
恋愛映画ではなく「恋愛」をテーマにした映画として、こんな作り方ができたことにビックリした作品。


第7位『インビクタス 負けざる者たち
もはや語るべきことも見当たらないクリント・イーストウッド監督作品。アメリカのみならず世界の映画史はすでにイーストウッド抜きに語ることはできなくなっているという事実に驚愕する。


第8位『ヒックとドラゴン
ドリームワークス作品としてただのアンチ・ディズニー映画から大きく成長を遂げたダントツの完成度を誇っている。でも実は主要スタッフはFOX傘下から流れている。


第9位『ゾンビランド
こちらも若い監督の作品。ただのジャンルムービーに収めなかった心意気がステキ。


第10位『キックアス』
クロエ・グレース・モレッツ演じるヒット・ガールを生み出しただけでも充分にその価値ありです。


第11位『トイ・ストーリー3』
本シリーズの完結作としてこれ以上の物語はないであろう言わずもがなの傑作。


第12位『クレイジー・ハート
基本的に「ダメ男」の物語は好きなんです。


第13位『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』
ジョニー・トー作品としては物足りない部分もありますが、それでもジョニー・トー作品。新作がきちんと公開されるだけでシアワセです。


第14位『月に囚われた男
これも初監督作品。デヴィッド・ボウイの大ファンではあるけれど、そんなことに関係なく、久し振りにアナログ感覚あふれるSF映画を観られたことに興奮した作品。


第15位『人生万歳!』
元祖「ダメ男」ウディ・アレンの快作。


第16位『闇の列車、光の旅』
この作品も長編初監督作品。監督の物語に対する絶妙な距離感が印象に残った傑作でした。


第17位『シャッター アイランド
ゴシックホラー映画として充分に楽しめたし、完成度も高いと思うけれど、スコセッシでなくても良いね。


第18位『プリンセスと魔法のキス
ディズニーのセルアニメ復活作品として重大な意義のある作品だったと思います。レイの役回りが最高でした。


第19位『コララインとボタンの魔女
なにがどうと言うより作品全体のヴィジュアルがツボです。ヘンリー・セリックは大好きです。


第20位『インセプション
細かくは文句もたくさんありますが、素直に楽しかった作品。


番外
『風に吹かれて―キャメラマン李屏賓の肖像』
リー・ピンビンを追ったドキュメンタリー作品。東京国際映画祭で上映されただけであるため番外。劇場公開はむずかしいかもしれないから、せめてソフト化を切望している。