2012-01-01から1年間の記事一覧

2012年公開作品「私的」ベスト25

2012年に劇場公開された新作映画から洋邦混在の25選です。いろいろなところで言われていますが今年は豊作の年だったようで25本以下にできませんでした。第1位『この空の花ー長岡花火物語』 (2011年/日本/監督:大林宣彦) http://konosoranohana.jp/ この作品…

『96時間/リベンジ』(1/11公開)

怒れる“お父ちゃん”映画の続編。良くも悪くも安定のヨーロッパコープ作品。時間も92分とお手頃。こんな要注意人物は目の届くところで見張ろうよ、な一本。 http://www.foxmovies.jp/96hours/ランキングに参加しています。もしよろしければクリックして頂くと…

『もうひとりのシェイクスピア』

ローランド・エメリッヒの最新作は、これまでのキャリアからは想像できないコスチューム・プレイであり、しかもシェイクスピアもの。どうやら10年以上前からの念願の企画とのことで、“シェイクスピア別人説”の物語をVFXで再現した16世紀末ロンドンの街並みの…

『マリー・アントワネットに別れをつげて』

バスティーユ陥落によるフランス革命勃発から3日間のベルサイユを、マリー・アントワネットの朗読係の視点から描いた作品。ベルサイユ宮殿の入場禁止区域で撮影したことも話題。庶民の少女が王妃に仕えることで、王妃への憧れから敬愛を越えて偏愛にも似た愛…

『フランケンウィニー』

1984年、長編監督デビュー前のティム・バートンがディズニー在籍時に制作した30分の同名短編実写映画をオリジナル同様にモノクロのままストップモーション・アニメとしてセルフリメイク。基本ストーリーはそのままに、主人公のクラスメイトによるエピソード…

『LOOPER/ルーパー』(1/12公開)

久し振りに観た気がするタイムトラベルものSF映画。評判に違わず抜群に面白かった。比較対象が『ターミネーター』なのも仕方ないが、決して劣らぬ作品。もう一度観たい。 http://looper.gaga.ne.jpランキングに参加しています。もしよろしければクリックして…

『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』

主演ダニエル・ラドクリフが『ハリー・ポッター』シリーズ終了後の出演作として選んだ、イギリス製ゴシック・ホラーで、1983年に刊行された小説「黒衣の女 ある亡霊の物語」の映画化作品。個人的にはずいぶんと久し振りに観たビックリドッキリなゴシック・ホ…

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

導入部がネタバレに抵触するという壮絶と悶絶の95分。個人的には楽しんだが、物語作品としてはやっぱり前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が好き。今シリーズが完結しても結局『〜破』が一番好きだったりするような気がしている。 今夏に特撮博物館で出品…

『その夜の侍』

容易な感想を許さぬ何とも言えぬ後味を残す作品。劇団THE SHAMPOO HATの戯曲を作演出である赤堀雅秋自身により映画用に改稿、彼の初監督作品となる。堺雅人、山田孝之、綾野剛、新井浩文の共演だけでも一筋縄ではいかないことは予想ができるが、これはその斜…

『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』

ジェームズ・キャメロン製作によるシルク・ドゥ・ソレイユの3D映画。複数公演の演目をつないで映画オリジナルの物語を紡いでゆく。個人的には彼らの公演を観たことはないため比較はできないが、3D映画としてはとても興味深い作品だった。先に公開されていた…

『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』

マドンナの劇場用長編二作目は、英国王エドワードとその妻ウォリスの物語を、現代(1998年)に生きる女性ウォリーを媒介にして描いてゆく。アメリカ公開時のあまりの不評ぶりにどんなものかと思っていたけれど、果たして思いのほか楽しんで観ることができた。 …

『フランケンウィニー』(12/15公開)【3D字幕】

えらいこと楽しかった。近年のティム・バートン作品はその“っぽさ”の形骸にしか思えず残念な思いばかりしていたが、今回はセルフリメイクという原点回帰のためか、心底楽しんで観た。いかにもティム・バートン的なゴシック怪奇映画はもちろん、果ては日本の…

『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』

フジテレビの企画発案によるリドリー&トニー・スコット監督の『LIFE IN A DAY』の日本版。一般投稿による2012年3月11日に撮影された映像を紡いだ作品。いろいろ複雑な想いで観たし、正直、絶賛も否定も容易にできない。強いて言えば思っていたよりフラットな…

『アルゴ』

楽しみにしていた作品。いやぁ面白かった。金庫破りや強奪モノではないけれどこれも一種のケイパー映画。ラスト20分での一点突破を目指してプロたちが入念な準備を重ね、物語のディティールを積み上げてゆく過程が無類に面白い、昔ながらの映画の王道物語。…

『リンカーン/秘密の書』

小説『高慢と偏見とゾンビ』を書いたセス・グレアム=スミスの原作・脚本による、アメリカ大統領リンカーンはヴァンパイア・ハンターだった、という奇想怪奇アクション。もしくはアメリカによるアメリカ万歳映画。話のネタとしては面白いと思うけど、ほぼ全…

『イエロー』(TIFF/ID上映)

第25回東京国際映画祭コンペティション部門ニック・カサヴェテス最新作。安定剤依存の女性が、つまらぬ現実から逃避するため自身の中に空想の世界を作り出して対処してゆく。それでも日常の生活は上手くいかず、避けてきた家族と向き合うことになる。いやぁ…

『シャドー・チェイサー』

2013年公開で新スーパーマン役を控えるヘンリー・カヴィル主演のサスペンス・アクション作品。上映時間93分と短いところが良い。結果的に主人公家族を事件に巻き込んでしまう父親役のブルース・ウィリス、冷徹な悪役を演じるシガニー・ウィーヴァーと、共演…

『サイド・バイ・サイドーフィルムからデジタルシネマへ』(TIFF/ID上映)(12/22公開)

第25回東京国際映画祭WORLD CINEMA部門企画/製作も手がけるキアヌ・リーブスによる蕭々たる監督やカメラマンへのインタービューから構成されたドキュメンタリー。随所で語られる映画裏話やデヴィッド・リンチのまさに“デヴィッド・リンチ”な佇まいなど笑える…

『メイジーの知ったこと』(TIFF/ID上映)

第25回東京国際映画祭コンペティション部門身勝手な両親の間で離婚後の親権争いに翻弄される少女の物語。メイジー役のオナタ・アプリールの可憐で薄幸な、同年齢の子供たちより早く大人にならなければならなかった感が痛くも印象的。物足りないところもある…

『もうひとりの息子』(TIFF/ID上映)

第25回東京国際映画祭コンペティション部門これは素晴らしい作品だった。イスラエル人家族とパレスチナ人家族で出産時に息子が入れ替わったまま青年期まで過ごしてしまった家族の物語。画面からあふれ出てくる登場人物たちの感情の濃さに圧倒される。それを…

『009 RE:CYBORG』

言わずと知れた石ノ森章太郎原作による『サイボーグ009』を神山健治により完全新作として製作。キャラクターデザインを一新しながらも物語設定は原作を引き継ぐ。 もっと痛快とはいかないまでも娯楽大作なのかと思っていたら、そっちに行くのか!と驚く物語…

『NO』(TIFF/ID上映)

第25回東京国際映画祭コンペティション部門1988年、チリの独裁政権への不信任国民投票に際しNO派とYES派がそれぞれ広告業界を巻き込んで行うテレビ宣伝合戦。なかなか面白かった。扇動的で時に相互パロディでしかない“子供の喧嘩”に政治圧力と脅迫が差し込ま…

『未熟な犯罪者』(TIFF/ID上映)

第25回東京国際映画祭コンペティション部門窃盗で少年院へ送致された身寄りのない少年の前に突然現れた母親、二人は空白の時間を埋めるかのように一緒に暮らし始める。負の連鎖から逃れられない未熟な母子の物語。地味ではあるが堅実な演出でラストまで飽き…

『アクセッション−増殖』(TIFF/ID上映)

第25回東京国際映画祭 コンペティション部門南アフリカを舞台に、職もなくただ町を徘徊し気晴らしにセックスしまくる青年が、HIV感染疑いの不安から常軌を逸してゆく。まあとにかく観客を不快にさせることに尽くした作品。主人公のアップだけを執拗に追いな…

『テセウスの船』(TIFF/ID上映)

第25回東京国際映画祭 コンペティション部門臓器移植に関する3話のオムニバス作品。まあある程度は宗教とか哲学を的にならざるをえない題材ながらも巧くまとめていると思うけれど、個人的にはイマイチ。1話目が好き。マスターと上映どちらが原因か分からない…

『シージャック』(TIFF/ID上映)

第25回東京国際映画祭 コンペティション部門インド洋沖でアフリカ系海賊にジャックされる商船、彼らと身代金交渉を行う本社重役たちの物語。面白かった。これだけで結構満足してしまいそう。洋上での人質にされた船員と海賊たちの感情的な距離感の移ろいが巧…

『009 RE:CYBORG』(10/27公開)

なんちゅう物語じゃ、というのが第一印象。個人的には楽しかったけど、随分と思い切ったストーリー。まあ『009』ぽいと言えば“ぽい”のだが。この物語であればあと20分長くても良いと思う。 http://009.ph9.jp/ランキングに参加しています。もしよろしければ…

『推理作家ポー 最期の5日間』

数々の怪奇幻想小説を遺し1849年に40歳で死去したエドガー・アラン・ポー。未だ謎に包まれている最期の5日間で、こんな大事件に巻き込まれていたらスゴイね、という盛大なフィクション。ストーリーはミステリー作家の作品を模倣した殺人事件が起こるという、…

『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』(11/9公開)

ジェームズ・キャメロン製作によるシルク・ドゥ・ソレイユの3D映画。複数公演の演目をつないで映画オリジナルの物語を紡いでゆく。ステージアクトの3D撮影と3D上映は、そこらの中途半端なアクション映画の3D化よりもよほど有意義。 第25回東京国際映画祭 公…

『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』(11/3公開)

フジテレビの企画発案によるリドリー&トニー・スコット監督の『LIFE IN A DAY』の日本版。一般投稿による2012年3月11日に撮影された映像を紡いだ作品。いろいろ複雑な想いで観たし、正直、絶賛も否定も容易にできない。強いて言えば思っていたよりフラットな…