2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ジャンゴ 繋がれざる者』

タランティーノの最新作はアメリカ南北戦争直前の時代劇をマカロニ・ウエスタン調で、さらに黒人奴隷制をモチーフに描くという、これまでありそうでなかった(?)キレッキレの西部劇。西部劇に奴隷制を盛り込んだことや、奴隷制を安いヒューマニズム的視点で…

第85回アカデミー賞 受賞結果(2/24)

■作品賞:『アルゴ』 ■主演男優賞:ダニエル・デイ=ルイス『リンカーン』 ■主演女優賞:ジェニファー・ローレンス『世界にひとつのプレイブック』 ■助演男優賞:クリストフ・ワルツ『ジャンゴ 繋がれざる者』 ■助演女優賞:アン・ハサウェイ『レ・ミゼラブ…

インディペンデント・スピリット賞 受賞結果(2/23)

■作品賞:『世界にひとつのプレイブック』 ■新人作品賞:『The Perks of Being a Wallflower』 ■監督賞:デヴィッド・O・ラッセル『世界にひとつのプレイブック』 ■主演男優賞:ジョン・ホークス『The Sessions』 ■主演女優賞:ジェニファー・ローレンス『…

『マーサ、あるいはマーシー・メイ』

2011年のサンダンス映画祭で監督賞を受賞したショーン・ダーキン初長編作品。カルト集団から脱走した少女の2週間の物語。彼女が彼らと出会ってから逃げ出すまでの2年間の物語と交互に語られてゆく。この二つの時間軸を安易な特徴付けすることなく並列に描く…

『横道世之介』

吉田修一の同名小説からの映画化。160分と長尺ながら、これが抜群に面白かった。1987年を舞台に、主人公・横道世之介と関わった人々を描いてゆく、どちらかといえば群像劇。そして彼らが16年後にふと思い出す、それぞれにとっての横道世之介の存在が微笑まし…

『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』

オフ・ブロードウェイ戯曲の映画化で、作者レスリー・ヘッドランドによる脚本・初監督作品。友人の結婚式に集まった高校同級生の“バチェロレッテ(独身女)”たちが式前夜から当日に繰り広げる、酒とドラッグと下ネタ満載のドタバタ劇。まるで某映画と某ドラマ…

『世界にひとつのプレイブック』

『ザ・ファイター』に続くデヴィッド・O・ラッセルの最新作。企画は『ザ・ファイター』の前から進行していた作品とのこと。精神障害を抱えた主人公二人のラブストーリーでもあることから“喪失と再生の物語”とか感動的なヒューマン・ドラマの印象も強いが、思…

『ゼロ・ダーク・サーティ』

『ハート・ロッカー』に続くキャスリン・ビグローによる極限緊張ドラマ最新作。9.11以降にビンラディンを追うCIAの実話の物語で、その中心にいた女性分析官が主人公。まず大前提としてアメリカの偏ったナショナリズムに対する是非は横に置いておくこととする…

英国アカデミー賞 受賞結果(2/10)

■作品賞:『アルゴ』 ■英国作品賞:『007 スカイフォール』 ■主演男優賞:ダニエル・デイ=ルイス『リンカーン』 ■主演女優賞:エマニュエル・リヴァ『愛、アムール』 ■助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ『ジャンゴ 繋がれざる者』 ■助演女優賞:アン・ハサ…

『ジャンゴ 繋がれざる者』(3/1公開)

タランティーノ最新作。最っ高に楽しかった。前作『イングロリアス・バスターズ』も好きだったけれど、また違った方向へ振り切りました!て感じにヤラれっぱなしだった。若干の修正が加えられて“+R15”での公開になるとか。 タランティーノ作品では、『レザボ…

アメリカ監督組合(DGA)賞 受賞結果(2/3)

■劇映画部門:ベン・アフレック『アルゴ』 ■ドキュメンタリー映画部門:マリク・ベンジェルール『シュガーマン 奇跡に愛された男』 ■TVムービー部門:ジェイ・ローチ『ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女』ランキングに参加しています。もしよろしけれ…

『シュガー・ラッシュ』(3/23公開)

面白かったぁ。ゲームは全くやらないけど、楽しかった。物語は定型から外れない展開だったけれど、それゆえの安定クオリティに安心して観ることができた。主要キャストの吹き替えに安易なタレントを起用しなかったこともGOOD。 http://www.disney.co.jp/suga…

『奪命金』

ジョニー・トー最新作は2010年のギリシャ国債暴落による経済混乱に振り回される人々の物語。ジョニー・トーはもともと多様な映画を撮る人ではあるけれど、これはこれで楽しかった。リッチー・レン演じるチョン警部補を除いてほぼ全ての登場人物が“お金”を理…

『DOCUMENTARY OF AKB48 No flower without rain 少女たちは涙の後に何を見る?』

AKB48のドキュメンタリー映画第3弾。まず前作は描かれている内容があまりに壮絶で、アイドルとして彼女たちに科せられる負荷による残酷見世物物語がこの上なく面白かったし、そこを面白がってしまうことへの疑問さえ考えさせられる作品だった。そして今作。…

『ニュータウンの青春』

俳優でもある盛岡龍の初長編作品。公開当初から絶賛評は聞いていたけれど、なるほどこれは面白かった。観ているだけでも恥ずかしくも愛おしいバカ3人の物語が、いつまでも心に残る。勝手に15年くらい前を設定している物語かと思って観ていたが、もっと現代の…

『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』

アン・リー監督最新作。とてもとても面白く観た。けれど優等生映画の印象が強く残る。まず何と言っても3D作品としてのクオリティの高さに驚かされる。宣伝文句に『アバター』を引き合いに出す安易さはいかがなものかと思うが、実写劇映画の3Dとしては確かに…