『コララインとボタンの魔女3D』

いまだ人気の衰えない『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の監督ヘンリー・セリックの最新作。ストップモーション・アニメとしては初めて3Dを前提として製作された作品とのこと。
コレは面白かったですね。観る前の予想を大きく上回っていました。何よりも3Dの使い方が「これぞ3D」と言わんばかりで、気持ちよい。


2月19日 公開
原題「CORALINE」
監督:ヘンリー・セリック
声の出演:ダコタ・ファニング/テリー・ハッチャー/ジョン・ホッジマン/イアン・マクシェーン/ドーン・フレンチ/ジェニファー・ソーンダース
吹替版:榮倉奈々/劇団ひとり/戸田恵子

【ストーリー】
オレゴン州に引っ越したばかりの少女コラライン。両親は仕事ばかり、友達もいないし、毎日が退屈で最悪だ。そんなある日、コララインは新しい家に小さな扉を見つける。それは、驚くべき“もう一つの世界”への入口だった―。
扉の向こうでコララインが見つけたのは、心躍るサーカスや独創的なミュージカルのショー、花が溢れんばかりに咲き誇る美しい庭、そして優しくて、暖かくて、コララインをとても可愛がってくれる"別の”両親だった。ただ一つだけ奇妙なのは、ママもパパも、目がボタン…。
「こっちの世界の方が、全然素敵!」今まで欲しくてたまらなかった世界を見つけたコララインは、すっかり扉の向こうの世界に心を奪われるが、元の世界に戻ってみると、家族は姿を消してしまっていた…。

配給:ギャガ
2009年/アメリカ/100分
(C)Focus features and other respective productions studios and distributors.

公式サイト http://coraline.gaga.ne.jp/

アバター』の3D映像も確かにスゴかったけれど、3D映像の「楽しさ」という点ではこちらに軍配が上がる。可能な限り3Dで鑑賞した方が良いが、作品としても面白いので、おそらく2Dでも充分に楽しむことができるだろう。
物語そのものはストーリーだけ追うと、意外とよくあるファンタジーではある。でも決してツマラナイわけではない。軸のブレないストーリーと物語としての普遍性、そこにヘンリー・セリック独特のダークな映像世界が加わることで、とたんに物語世界が広がってゆく。物語と映像のバランスが絶妙で、これまでのヘンリー・セリック作品の中で一番まとまりの良い作品になっているように感じた。
原作はニール・ゲイマンによる小説。しかも出版前に原作者からヘンリー・セリックへ原稿を送り、そのまま映画化が決定したとのこと。また、製作初期段階でのコンセプト・アートを日本人イラストレーター上杉忠弘が手がけている。完成した作品はそこからさらに発展させたデザインとなっているが、上杉忠弘のスケッチが全てのベースになっていることはよく分かる。実際、これまでのヘンリー・セリック作品にはない新しいポップな世界感が加わっていることは、明らかに上杉忠弘によるものだろう。パンフレットにも掲載されると思われるスケッチと本編を見比べるのも楽しい。
ちなみに今回観たのは日本語吹替え版。字幕至上主義の人も多いが、やはり3D作品は吹替え版で観た方が楽しい。しかも本作品はアニメなので他の実写作品に比べれば違和感を覚えることは少ないと思う。


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