『ブルーノ』

ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』のサシャ・バロン・コーエンによる最新作。今回も前作以上にハチャメチャで下世話でクダラナイ作品になっている。「ブルーノ」のキャラクター設定が「ゲイ」であることも大きな要因であろう。


3月20日 公開
原題「BRUNO」
監督:ラリー・チャールズ
出演:サシャ・バロン・コーエン/グスタフ・ハマーステン

【ストーリー】
ある日、ファッション・コレクションで無茶な取材を試みショーを台無しにし、ファッション業界から締め出しを喰らってしまったブルーノ。それならば!と彼が目指したのはアメリカ、ハリウッド。「ここでセレブになって見返してやるわ!」と一念発起、彼が思う「セレブになれる方法」を次々と実践していく。「有名人とスキャンダル」「流行の養子をもらう」「中東で和平を成立させる」「テロリストに誘拐される」etc・・・。周囲を怒らせ呆れさせる行動を連発。はたしてブルーノの夢は叶うのか??

配給:クロックワークス
2009年/アメリカ/80分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
(C)2009 MRC II Distribution Company LP

公式サイト http://bruno-movie.jp/

基本的なスタンスは前作『ボラット〜』と同様で、サシャの演じるキャラクター設定が変わる。チラシの解説文を転載すると「ブルーノは、サシャが演じるキャラクターであるが、彼が行動を起こす相手は、本当にブルーノというオーストリアのファッションレポーターだと思っている。つまりブルーノがハリウッドでセレブになるための大冒険ストーリーは、フィクションだが、その物語に巻き込まれた人たちの反応や行動は、ホンモノでドキュメンタリーなのだ!」とのこと。
サシャ・バロン・コーエンという人はとても聡明な人で、確信犯で「世間」の倫理や常識の隙間を広げて、意識の大きなズレを生み出そうとする。ただそのやり方は直接的で、それが過剰になることも多くなるため、彼の標的にされて巻き込まれたり、その分野に一家言ある人たちからは総スカンを喰らい、訴訟騒ぎや国家レベルでの論争にさえなってしまうのだが。そんなサシャの時に命がけの芸を笑い飛ばせる観客には、彼の快進撃は最高に楽しい。
そして今回、その内容の過激さ以上に話題になっているのが、作品の最後に登場する豪華ミュージシャンたちとの競演だ。劇中で披露される中東紛争解決のためのチャリティソング「平和のハト」のレコーディングに参加するミュージシャンは、エルトン・ジョンU2のボノ、スティング、コールド・プレイのクリス・マーティン、スラッシュ、スヌープ・ドッグ。なかでもエルトン・ジョンの登場には驚きと同時に、彼にこんなことさせて大丈夫なの?と心配にもなってしまう。

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