『フィールド・オブ・ドリームス』(1990年公開)

「午前十時の映画祭」六本木ヒルズ2本目。
約20年くらい前にVHSで一度だけ観て以来の鑑賞。正直あまり好きな作品ではない、というのが当時の感想。良い映画なんだろうとは理解していたけれど、そもそも野球というよりスポーツ全般に興味がないので、感情移入する場所が見つからなかったのだ。ケヴィン・コスナーもこの作品をきっかけに「アメリカの良心」の片棒を担ぐことになり、どんどん胡散臭くなっていったことも、あまり良い印象として残っていない。
で、今回改めて鑑賞したわけだが、まず意外なほど急展開続きな物語だったことに驚いた。野球場を作るまでの時間がもっとあるのかと思っていたら、ストーリーの序盤で完成していた。その後もテンポ良くストーリーが進んでゆく。総じて良い映画だとは思うけれど、やはり野球への国民的思い入れの深さに乗っかることができなかった。父親とのキャッチボールにロマンもノスタルジーも感じないのだから、どうしようもない。これはあくまで個人的な感情であり、この作品のモチーフが野球ではなく映画や音楽だったなら手放しで大絶賛していたであろう。そう考えるとやはり、この作品は良い映画なんだろう。

■原題 FIELD OF DREAMS
■監督 フィル・アルデン・ロビンソン
■出演者 ケヴィン・コスナー/エイミー・マディガン

【解説】
W・P・キンセラの小説「シューレス・ジョー」を原作とする、野球を軸にしたファンタジックな人情ドラマ。野球という題材、夢を追う主人公、家族同士の絆、といった「よきアメリカ」的な要素を抽出した感動作だ。
【物語】
アイオワ州でとうもろこし畑を営むレイ・キンセラ(K.コスナー)は、ある日の夕暮れ時、「それを建てれば彼がやってくるだろう」という声を耳にする。彼はその声を信じ、自分の畑を潰して野球場をつくりはじめた。妻のアニー(A.マディガン)は理解を示すものの、周囲の反応は冷たい。野球場が完成し、しばらく何事もなく過ぎたある日、娘がグラウンドで人影を発見する。それは、かつて八百長事件に連座し、球界を追放された伝説の野手「シューレス」ジョー・ジャクソンであった……。

「午前十時の映画祭」公式サイト
http://asa10.eiga.com/