2011映画

2011年公開作品「私的」20選

2011年に公開された新作映画から洋邦混在で選出しました。厳密な順位は決めていません。毎日変わるので。ただ漠然と上から好きな順番になっています。当然、観たかったけれど未だ観られていない作品もありますが、きりがないので。 『ミッション:8ミニッツ…

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

シリーズ4作目のキャストはトム・クルーズとサイモン・ペッグを残して“ほぼ”一新。監督は初の実写作品となる『アイアン・ジャイアント』『Mr.インクレディブル』のブラッド・バード。前作『M:I III』の監督J.J.エイブラムスが製作として残っている。相応に期…

『サラの鍵』

素晴らしい作品。何と言っても主演女優二人が良い。1942年に起きたフランス警察によるユダヤ人一斉検挙を物語の主軸に置いたフランス映画。弟を助けるために収容所を逃げ出した少女サラと、彼女の軌跡を追う女性記者ジュリアの物語が平行して語られる。物語…

『リアル・スティール』

『ナイト・ミュージアム』のショーン・レヴィン監督最新作。製作総指揮にスティーブン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが名を連ねている。スピルバーグが11年間ずっと映画化を計っていた物語だそうで、これがとても楽しい作品でした。 ザッツ・ハリウッド…

『恋の罪』

順序は逆になったが2日続けて園子温作品を観る。嫌いではないけれど、次作を含めてここ数年の作品の中ではあまりピンとこなかった。いやスゴイ作品だとは思いますけど。次作『ヒミズ』も相当に重い物語ですが、比べものにならないほど濃厚で悪夢のような作品…

『ミッション:8ミニッツ』

列車爆破事件直前の8分間を何度も追体験する中で犯人を捜し出そうとするタイムリープSF作品。同じ8分間を繰り返しながらも、主人公の行動によって少しずつ場合によっては大きく変化してゆく物語を、観客に混乱させることなく共有させる脚本と演出が秀逸な…

『ランゴ』

俳優の動きや表情をCGキャラクターに反映させるエモーション・キャプチャーという技術により、主演ジョニー・デップ、監督ゴア・ヴァービンスキーという『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのコンビ復活作品。監督自身が長年あたためてきた企画とのこ…

『一命』

尋常ではないペースで作品を発表し続ける三池崇史監督最新作。『忍たま乱太郎』を間に挟んで『13人の刺客』に続く時代劇。(『忍たま乱太郎』も時代劇なのか?)『13人の刺客』も爽快活劇として日本映画史に名を残す傑作だったけれど、今回の『一命』は本格…

『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』

マーベル・ヒーロー大集合映画『ザ・アベンジャーズ』まで遂にリーチとなった今作では、サブタイトルにある通り最初のヒーロー “キャプテン・アメリカ”誕生を描く。 監督は『スター・ウォーズIV〜VI』でデザインと視覚効果美術監督を務め、後に『ロケッティ…

『ライオン・キング/ディズニーデジタル3D』

1994年の公開のディズニー史上最大のヒット作となった本作。今回は3D化しての限定公開。私自身は公開時に劇場で観て以来の鑑賞。当時国内では「ジャングル大帝問題」が全ての評価の前面に出ていたこともあって、あまり素直に作品として観ることはできなかっ…

『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』

『猿の惑星』シリーズ最新作。新解釈による新たな物語という昨今流行りのリブート作品となっていて、これが思いのほか楽しかった。サブタイトルに『創世記』とあるように、猿(チンパンジー)が地球を統治するほどの知能を持つまでになる進化の発端を描いて…

『ステイ・フレンズ』

「セフレから始まる恋愛」という少し変化球ではあるけれど、実はわりとストレートなロマコメ映画。変化球と言っても最近この手のSEXネタは多いように思える。ジャスティン・ティンバーレイクとミラ・クニスという顔合わせは確かに新鮮ではあったけれど、それ…

『監督失格』

平野勝之による林由美香に関する全記録。鑑賞後しばらく抜け出せなくなる作品。監督は相当苦しかっただろうと容易に想像できるが、ドキュメンタリーとしてかなり卑怯な作品でもある。この作品については改めて書いてみたいが、コレに向き合うのだけの心の余…

『カンパニー・メン』

大企業の要職に就きながらも突然解雇された男たちと家族の物語。社会問題に言及する物語でもなく、主人公が勇ましく再起してゆく物語でもない。プライド高い主人公が人生初の挫折のなかで「身の回りにある大切なこと」に気づいてゆく物語。作品そのものはか…

『スリーデイズ』

フランス映画『すべて彼女のために』のハリウッドリメイク作品。オリジナル版は若干納得できない部分もあったが、上映時間90分強とコンパクトにまとまった快作だった。対して今作は134分とやや長尺。主にクライマックスからの展開が長く、タイムリミットサス…

『アジョシ』

韓国で外国映画を含む2010年興行収入1位となったウォンビン主演最新作。ウォンビンは軍隊からの復帰後、ポン・ジュノ監督『母なる証明』に続く2作目。『冬の小鳥』のキム・セロンの共演も注目の作品。 物語自体はエンターテイメント志向のためご都合主義な…

『女と銃と荒野の麺屋』

コーエン兄弟の長編デビュー作『ブラッド・シンプル』をチャン・イーモウが中国時代モノに置き換えてリメイクした作品。製作は2009年で、すでに日本で公開されている『サンザシの樹の下で』の前作にあたる。衣装をはじめ極度に赤い大地や青い空、昼夜の時間…

『シャンハイ』

真珠湾攻撃直前の上海を舞台に、日本、アメリカ、中国、ドイツの思惑が入り乱れるサスペンス。もちろん実話ではなく史実をベースにしたフィクション。つまらなくはなかったけれど、総じて今ひとつな作品。時代考証もきちんとされているようで、欧米的解釈で…

『リメンバー・ミー』

『トライライト』シリーズのロバート・パティンソン主演による青春アイドル映画、かと思いきや少しビックリするほど真摯で、ヒリヒリとした孤独に満ちた愛と喪失と再生の物語。なおパティンソンは『トライライト』に抜擢される前からこの作品への出演を熱望…

『カンフー・パンダ2』

各作品の続編やスピンオフ作品を続々製作することを発表したドリームワークス アニメーションによる『カンフー・パンダ』の2作目。監督は前作でヘッド・オブ・ストーリー、アクション・シークエンス・スーパーバイザー、ドリーム・シークエンス・ディレクタ…

『ツリー オブ ライフ』

ブラッド・ピットがショーン・ペンの父親役(もちろん時代は違う)を演じたキャスティングも話題のテレンス・マリック監督6年ぶりの最新作。今作は彼が長年あたためていた物語とのことだが、これが一筋縄ではいかない作品になっている。一応の物語らしきも…

『この愛のために撃て』

前作『すべて彼女のために』が『スリーデイズ』としてハリウッドリメイクされたフレッド・カヴァイエ監督の最新作。今作も前作同様にごく普通の男が妻を助けるために犯罪行為も厭わずに奮闘するサスペンスアクション映画になっている。監督自身が「前作のラ…

『モールス』

スウェーデン映画 『ぼくのエリ 200歳の少女』のハリウッド版リメイク。『キック・アス』で一躍人気女優となったクロエ・グレース・モレッツの出演も話題。小説が原作となっているが、オリジナル映画版は原作者自身のリライトにより小説から大きく改変された…

『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』

タイミングが合わずに先送りになっていたが、やっと観た。観客数10人ほど。うん、面白かった。たしかにラストの扉の解釈によって意見も分かれるだろうけれど、その辺を考慮に入れても、充分に楽しかった。二階堂ふみと森下くるみが良い。(公開中) 吉祥寺バウ…

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』

シリーズ3作目は1960年代後半からの米ソ宇宙開発競争をベースに、史実の裏にトランスフォーマーたちが関係していた、というところから始まる物語。SF作品としてストーリー重視で製作すればいくらでも面白くなりそうな物語ではあるが、そこはマイケル・ベイで…

『赤い靴 デジタルリマスター・エディション』

『黒水仙』と並ぶマイケル・パウエル/エメリック・プレスバーカー監督、ジャック・カーディフ撮影の色彩美あふれる1948年製作の名作バレエ映画のデジタルレストア版。残念ながら日本ではフィルムではなくデジタル上映のみ。それでも充分に見応えのある修復作…

『マイティー・ソー』

マーベルのヒーロー大集合作品『アベンジャーズ』へ向けて着々と新キャラ・シリーズを重ねてゆくマーベルスタジオ最新作。今回は北欧神話をベースにした神様ヒーローの物語。 実はこの原作コミックスのことはまったく知らなかった。アメコミに詳しくないこと…

『蜂蜜』

セミフ・カプランオール監督による“ユスフ三部作”最終章。前作となる『卵』『ミルク』は機会なく未見。そもそもこの三部作、ユスフの純粋な一代記ではない。時間軸を無視して壮年期・青年期・幼少期を描いており、監督自身この主人公を同一人物とは名言して…

『BIUTIFUL ビューティフル』

これまで群像劇ばかりを撮り続けていたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが一人の男(父親)の物語を描いた最新作。なんと言っても、末期がんを宣告された主人公を演じたハビエル・バルデムが素晴らしい。かなり重い物語で、鑑賞後に極度の疲労感が体…

『SUPER 8/スーパーエイト』

スピルバーグ製作によるJ.J.エイブラムス監督最新作。各所で言われているとおり1980年代のスピルバーグ作品へのオマージュにあふれた作品となっていて、当時の作品群をリアルタイムで体験していた世代には、抗うことのできない楽しみに満ちている。1979年と…