『カンパニー・メン』

大企業の要職に就きながらも突然解雇された男たちと家族の物語。社会問題に言及する物語でもなく、主人公が勇ましく再起してゆく物語でもない。プライド高い主人公が人生初の挫折のなかで「身の回りにある大切なこと」に気づいてゆく物語。作品そのものはかなり地味。けれどこの脚本に集まった役者たちがやたらと豪華で、それだけでこの作品の格を数段上げている。ややキャラクター設定そのものが説明的になっている部分もあるが、脚本や演出も堅実。とくにセリフだけに説明を頼らずに映像で物語を語ろうとしているところにも好印象。脚本・監督はテレビドラマ出身で映画プロデューサーでもあるジョン・ウェルズで、今作が長編監督デビュー作。またスターだった貫禄のまったく消え去ったケヴィン・コスナーの、その普通の人ぷりが役柄に合っていて好キャスティングだった。


9月23日 公開
原題「THE COMPANY MEN」
監督・脚本:ジョン・ウェルズ
出演:ベン・アフレック/トミー・リー・ジョーンズ/クリス・クーパー/ケヴィン・コスナー/ローズマリー・デウィット/マリア・ベロ

【ストーリー】
主人公・ボビーは、総合企業GTXの販売部長。年収12万ドル、愛車はポルシェ、趣味はゴルフ。そんな勝者のライフスタイルを獲得するため働いてきた彼に、突然リストラが宣告される。再就職へのスタートを切るボビーだが、現実は厳しく時間ばかりがただ過ぎて行く。いっぽう、GTX社に残った社員たちにも悲劇は起こる。重役のジーンは、CEOのリストラ策に苦言を呈するが、再び大規模なリストラが行われる。そのひとり、フィルは、作業員からのしあがった勤続30年のベテラン。解雇に納得のいかないフィルは、上司であり昔からの仕事仲間でもあったジーンに詰め寄るが、ジーンにはどうすることもできなかった。なぜなら彼も解雇されてしまったからだー。

配給:日活
2010年/アメリカ/104分/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル/英語/字幕翻訳:杉田朋子
(C)2010-JOHN WELLS PRODUCTIONS

公式サイト http://companymen-movie.com/

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2011-3rd/companymen/

カンパニー・メン [DVD]

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