『蜂蜜』

セミフ・カプランオール監督による“ユスフ三部作”最終章。前作となる『卵』『ミルク』は機会なく未見。そもそもこの三部作、ユスフの純粋な一代記ではない。時間軸を無視して壮年期・青年期・幼少期を描いており、監督自身この主人公を同一人物とは名言していない。そんな形而上的な観念のもとに語られる物語なので、観るタイミングによって印象は大きく変わる。本作品はユスフの幼年期の物語で、この種類の映画には必須の“子供の愛らしさ”は本作品でも充分に機能しているが、個人的にはこの少年にあまり好感を持てなかった。プレスシートを読むと、どこかで観方を間違えたのかもしれないとも思う。いずれは前章も併せて観直してみたい作品。


7月2日 公開
原題「Bal」
監督:セミフ・カプランオール
出演:ボラ・アルタシュ/エルダル・ベシクチオール/トゥリン・オゼン

【ストーリー】
6歳のユスフは、手つかずの森林に囲まれた山岳で両親と共に暮らしている。幼いユフスにとって、森は神秘に満ちたおとぎの国で、養蜂家の父と森で過ごす時間が大好きだった。ある朝、ユフスは夢をみる。大好きな父にだけこっそりと夢をささやき、夢を分かち合う。ある日、森の蜂たちが忽然と姿を消し、父は蜂を探しに森深くに入っていく。その日を境にユフスの口から言葉が失われてしまうー。数日経っても父は帰ってこない。ユフスに心配をかけまいと毅然と振る舞っていた母も、日を追うごとに哀しみに暮れていく。そんな母を、ユフスは大嫌いだったミルクを飲んで励まそうとする。そしてユフスは、1人幻想的な森の奥へ入っていくー。

配給:アルシネテラン
2010年/トルコ・ドイツ/103分/トルコ語/カラー/アメリカン・ビスタ/ドルビーデジタル/
(C)2010 Kaplan Film Production & Heimatfilm GmbH + Co KG

公式サイト http://www.alcine-terran.com/honey/

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2011-2nd/hachimitsu/

「卵」「ミルク」「蜂蜜」 [DVD]

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