『一命』

尋常ではないペースで作品を発表し続ける三池崇史監督最新作。『忍たま乱太郎』を間に挟んで『13人の刺客』に続く時代劇。(『忍たま乱太郎』も時代劇なのか?)『13人の刺客』も爽快活劇として日本映画史に名を残す傑作だったけれど、今回の『一命』は本格時代劇。滝口康彦の小説『異聞浪人記』を小林正樹監督が映画化した『切腹』という作品が過去にあり、そのあたりは『13人の刺客』にも共通する部分があるようにも思えるが、この『一命』はリメイクというより再映画化と言うべきか?いずれにせよ『切腹』とは別に観た方が良いようにも思える。
何と言っても市川海老蔵が素晴らしい。年に何度か感じることではあるが、何だかんだと理屈を言っていても映画はやはり「役者の顔」で成立しているのだと、改めて感じさせる作品だった。市川海老蔵のことをこんなにも心底「カッコイイ」と思ったのは初めてだ。他の配役も皆、顔が印象的で本当にステキなキャスティングだったと思う。強いて言えば満島ひかりだけ少し違和感を感じた。個人的には大好きな女優なんだけど。
ただし3D効果はゼロと言えよう。鑑賞したのがXpanDだったことも大きな要因だろうが、とにかくただ暗いだけだった。演出として効果的に3Dが仕様されていた訳でもない。それだけに三池崇史は本当に3Dで製作したかったのだろうかと疑問にさえ感じてしまう。

 

10月15日 公開
監督:三池崇史
出演:市川海老蔵/瑛太/役所広司/満島ひかり

【ストーリー】
戦国の世は終わり、平和が訪れたかのようにみえた江戸時代初頭、徳川の治世。しかし、その下では大名の御家取り潰しが相次ぎ、仕事も家もなくし生活に困った浪人たちの間で【狂言切腹】が流行。それは裕福な大名屋敷に押し掛け「庭先で、切腹させてほしい」と願い出ると、面倒を避けたい屋敷側から職や金銭がもらえるという、都合のいいゆすりだった。ある日、一人の侍が切腹を願い出た。名は津雲半四郎(つくもはんしろう)。家老・斎藤勘解由(さいとうかげゆ)は、数ヶ月前にも同じように訪ねてきた若浪人・千々岩求女(ちぢいわもとめ)の、狂言切腹の顛末を語りはじめる。武士の命である刀を竹光に変え、恥も外聞もなく、切腹を願い出た若浪人の無様な最期を―。そして半四郎は、驚くべき真実を語りはじめる。

配給:松竹
2011年/日本/127分/カラー/シネマスコープ/SRD
(C)2011映画「一命」製作委員会

公式サイト http://www.ichimei.jp/

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2011-3rd/ichimei/

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