『横道世之介』
吉田修一の同名小説からの映画化。160分と長尺ながら、これが抜群に面白かった。1987年を舞台に、主人公・横道世之介と関わった人々を描いてゆく、どちらかといえば群像劇。そして彼らが16年後にふと思い出す、それぞれにとっての横道世之介の存在が微笑ましく“笑って”しまう。何と言っても主演の高良健吾と吉高由里子が素晴らしく、この二人のエピソードは楽しくてつい表情が緩んでしまう。原作者からは「コメディを作ってください」との要望があったようで、前田司郎の決定稿を沖田修一がリライトしたとか。世代的には私自身より数年上の人たちの物語なのだが、それでもこの時代を見せられると少しこそばゆい感じに襲われてしまう。
2月23日 公開
監督:沖田修一
出演:高良健吾/吉高由里子/池松壮亮/伊藤歩/綾野剛
原作:吉田修一「横道世之介」(毎日新聞社 文春文庫刊) 脚本:前田司郎/沖田修一 音楽:高田連 撮影:近藤龍人 照明:藤井勇 録音:矢野正人 美術:安宅紀史 編集:佐藤崇【ストーリー】
長崎県の港町で生まれた横道世之介は、大学進学のために上京したばかりの18歳。嫌味のない図々しさ、頼み事を断れない人の良さ、底が浅いのか深いのか測りかねる言動が人を惹きつける。お嬢様育ちのガールフレンド・与謝野祥子をはじめ、世之介と彼の彼に関わった人たちの青春時代と、その後の人生。彼のいなくなった16年後、愛しい日々と優しい記憶の数々が、鮮やかにそれぞれの心に響きだす。
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