『奪命金』

ジョニー・トー最新作は2010年のギリシャ国債暴落による経済混乱に振り回される人々の物語。ジョニー・トーはもともと多様な映画を撮る人ではあるけれど、これはこれで楽しかった。リッチー・レン演じるチョン警部補を除いてほぼ全ての登場人物が“お金”を理由に行動する。目的は金儲けや保釈金調達や新居購入や仕事のノルマなどそれぞれだが、とにかく行動原理が“お金”なのだ。ここまで全ての登場人物の行動原理が一貫している物語だったことも面白かった。さまざまな立場の人々が交差する群集劇でもあるため、代表作にみられるようなジョニー・トー節が炸裂する作品ではないけれど、時系列で進まない物語構成に巧く引っぱられた印象。


2月9日 公開
原題:奪命金 Life Without Principle
監督:ジョニー・トー
出演:ラウ・チンワン/リッチー・レオン/デニス・ホー/ミョーリー・ウー/ロー・ホイパン/ソー・ハンシェン
脚本:ミルキーウェイ・クリエイティブ・チーム/アウ・キンイー/ウォン・キンファイ 撮影監督:チェン・シウキョン 編集監督:デヴィッド・リチャードソン 衣装監督・美術監督:スーキー・イップ

【ストーリー】
金融都市・香港。銀行の金融商品営業担当のテレサ(デニス・ホー)は成績下位を挽回するために、顧客の中年女性のチェンにリスクの高い投資信託商品を売り付ける。香港警察のチョン警部補(リッチー・レン)は新しいマンション購入の相談を妻から受けているが乗り気でない。気が良くて人望の厚いヤクザのパンサー(ラウ・チンワン)は、逮捕された兄貴分の保釈金を都合するために、同郷で投資会社の社長をしているドラゴンに助けを求める。そんな中、ギリシャ債務危機で世界の金融資産は下落。投資家たちのパニックの中、パンサーは大陸マフィアの金を投資で失ったドラゴンを助けるはめになり、テレサの顧客の高利貸しの社長が現金を下ろした帰りに駐車場で殺され、下ろした半分のお金が彼女のデスクに置かれたままになる。そしてチョンは自暴した犯人とエレベーターに閉じ込められる。彼らに降りかかった運命はいったいどうなるのか…。

配給:ブロードメディア・スタジオ
2011年/中国=香港/106分/カラー/スコープサイズ/字幕翻訳:鈴木真理
2011 Media Asia Film (BVI) Ltd. All Rights Reserved.

公式サイト http://datsumeikin.net

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2013-1st/datsumeikin/

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