『009 RE:CYBORG』

言わずと知れた石ノ森章太郎原作による『サイボーグ009』を神山健治により完全新作として製作。キャラクターデザインを一新しながらも物語設定は原作を引き継ぐ。
もっと痛快とはいかないまでも娯楽大作なのかと思っていたら、そっちに行くのか!と驚く物語展開で少し混乱した。それでも個人的には楽しめたし、考えてみればこれはこれで、なるほど『009』な物語でもあった。これは何を書いてもネタバレにしかならないので言及はできないのだが、ひとつ確信するのは、この作品もやはり“東日本大震災の後だからこそ”の想いを、それが結果であれ抱くことになった作品であること。“結果であれ”とは脚本が完成したのは震災前とのことで、その後の状況に直接影響を受けていないであろうためだが、“映画”が少なからず時代の波に寄り添っているメディアである以上、やはり作品公開時の世界を無視はできないからだ。
物語の設定や展開に随所で既視感を覚えるし、他にもいろいろと気になるところはある。なにより周知の9人のキャラクターにそれぞれ見せ場を持たせながらこの物語を語るには103分という上映時間は短すぎたのではないだろうか。あと20分は長くても良いし、個人的には40分長くなっても良かったと思う。
なお蛇足ながらどうしても気になったのは、006:張々湖の「〜ある」という台詞。原作のキャラ設定ではあるけれど、ここは改編しても良かったのではないかと感じた。


10月27日 公開
監督・脚本:神山健治
出演:宮野真守/小野大輔/斎藤千和/大川透/丹沢晃之/増岡太郎/吉野裕行/玉川砂記子/杉山紀彰
原作:石ノ森章太郎
音楽:川井憲次
キャラクターデザイナー麻生我等サウンドデザイナー:トム・マイヤーズ

【ストーリー】
2013年。全世界で大都市の超高層ビルが次々と崩壊するという同時多発爆破事件が発生、世界を不安とパニックに陥れていた。かつて世界が危機に陥るたびに人々を救った9人のサイボーグ戦士がいた。その役目を終え、各々の故国へ帰っていたゼロゼロナンバーサイボーグ達は、生みの親であるギルモア博士からの呼びかけによって再び集結しようとしていた。一方、リーダーである日本人、009こと島村ジョーは東京・六本木でひとり暮らしていた。サイボーグ戦士最後の切り札であるジョーはギルモア博士によって30年間、3年に一度記憶をリセットされ高校3年間を繰り返していたのだ。ジョーの記憶が呼び覚まされた時、ゼロゼロナンバーサイボーグの新たな戦いが始まる!

配給:Production I.G./ティ・ジョイ
2012年/日本/103分/
(C) 2012「009 RE:CYBORG」製作委員会

公式サイト http://009.ph9.jp/

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2012-3rd/009/

SOUND OF 009 RE:CYBORG

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009 RE:CYBORGぴあ (ぴあMOOK)

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