2011-01-01から1年間の記事一覧

『ツリー オブ ライフ』

ブラッド・ピットがショーン・ペンの父親役(もちろん時代は違う)を演じたキャスティングも話題のテレンス・マリック監督6年ぶりの最新作。今作は彼が長年あたためていた物語とのことだが、これが一筋縄ではいかない作品になっている。一応の物語らしきも…

『この愛のために撃て』

前作『すべて彼女のために』が『スリーデイズ』としてハリウッドリメイクされたフレッド・カヴァイエ監督の最新作。今作も前作同様にごく普通の男が妻を助けるために犯罪行為も厭わずに奮闘するサスペンスアクション映画になっている。監督自身が「前作のラ…

2011年8月第1週 公開作品

■8月5日(金)公開『モールス』 http://www.minipara.com/movies2011-3rd/morse/ ■8月6日(土)公開 『行け!男子高校演劇部』 http://www.minipara.com/movies2011-3rd/ikedan/『一枚のハガキ』 http://www.minipara.com/movies2011-3rd/ichimai-no-hagaki/…

『モールス』

スウェーデン映画 『ぼくのエリ 200歳の少女』のハリウッド版リメイク。『キック・アス』で一躍人気女優となったクロエ・グレース・モレッツの出演も話題。小説が原作となっているが、オリジナル映画版は原作者自身のリライトにより小説から大きく改変された…

『カーズ2』

『カーズ2 3D吹き替え版』(公開中)うーん、ピクサー作品でなければ「まあ普通に楽しめるCGアニメ」だったんだろうけれど。特にここ数年のピクサー作品の完成度の高さがハッキリと常軌を逸していたことが、この作品のハードルを無駄に上げていたことも確かで…

『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』

タイミングが合わずに先送りになっていたが、やっと観た。観客数10人ほど。うん、面白かった。たしかにラストの扉の解釈によって意見も分かれるだろうけれど、その辺を考慮に入れても、充分に楽しかった。二階堂ふみと森下くるみが良い。(公開中) 吉祥寺バウ…

『女と銃と荒野の麺屋』

『女と銃と荒野の麺屋』(9月17日公開)の試写。 コーエン兄弟の長編デビュー作『ブラッドシンプル』をチャン・イーモウがリメイクした中国時代もの。色彩に満ちた画作りの圧巻さと、オリジナルの物語を踏襲しながらも、はるかにコメディよりに変更された作風…

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』

シリーズ3作目は1960年代後半からの米ソ宇宙開発競争をベースに、史実の裏にトランスフォーマーたちが関係していた、というところから始まる物語。SF作品としてストーリー重視で製作すればいくらでも面白くなりそうな物語ではあるが、そこはマイケル・ベイで…

2011年7月第5週 公開作品

■7月29日(金)公開『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/nintama/ ■7月30日(土)公開『エッセンシャル・キリング』 http://www.minipara.com/movies2011-3rd/ek/『おじいさんと草原の小学校』 http://www…

『カンパニー・メン』

『カンパニー・メン』(9月23日 公開)の試写。 テレビドラマ出身のジョン・ウェルズによる脚本・監督作品。作品としては小品ながらやたらと豪華な出演者陣が揃った佳作。必要以上に説明的でないところにも好感を持った。久し振りにまともなケヴィン・コスナー…

『この愛のために撃て』

『この愛のために撃て』(8月6日 公開)の試写。 前作『すべて彼女のために』が『スリーデイズ』としてハリウッドリメイクされたフレッド・カヴァイエ監督作。前作のスタイルを踏襲しながら発展させたような作品。いろいろ無理がある物語だけれど、やっぱり面…

2011年7月第4週 公開作品

■7月23日(土)公開『あぜみちジャンピンッ!』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/aze-michi/『黄色い星の子供たち』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/kiiroihoshi/『グッド・ハーブ』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/hierbas/『人…

『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』

『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』(7月29日公開)の試写。今回最大のウリであろう3D映像に関しては「まあそんなものだろう」といった印象。『カンフー・パンダ2』の方がよほど3Dを効果的に使っていた。またすでに観た人たちの言う「物語を語る…

2011年7月第3週 公開作品

■7月15日(金)公開『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/harrypotter/■7月16日(土)公開『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/exitthrough/『いのちの子ども』 ht…

『赤い靴 デジタルリマスター・エディション』

『黒水仙』と並ぶマイケル・パウエル/エメリック・プレスバーカー監督、ジャック・カーディフ撮影の色彩美あふれる1948年製作の名作バレエ映画のデジタルレストア版。残念ながら日本ではフィルムではなくデジタル上映のみ。それでも充分に見応えのある修復作…

『カンフー・パンダ2』

『カンフー・パンダ2』(8月19日公開)の試写。 90分という短い時間の中で語られる主人公ポーの過去と現在の折り合いの物語。一つ一つは特別目新しいことではないけれど、ギャグとシリアスのバランスが楽しく全体としてなかなか秀逸な作品。前作を引き継ぐタ…

『スリーデイズ』

『スリーデイズ』(9月23日公開)の試写。 仏映画『すべて彼女のために』のハリウッドリメイク。しがない大学教師が妻のために。。。という物語なのだけれど、ラッセル・クロウがどうしても“しがない”教師に見えず。作品もハリウッド的サスペンスアクションへ…

『リメンバー・ミー』

『リメンバー・ミー』(8月20日 公開)の試写。 当初は観る予定もなく『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソン主演のある種のアイドル映画かと侮っていたら、意外な拾いものだった。物語の収束の仕方に疑問はあるが、ヒリヒリとした孤独に満たされた…

2011年7月第2週 公開作品

■7月8日(金)公開『アイ・アム・ナンバー4』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/no4/■7月9日(土)公開『陰謀の代償』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/inbou-daishou/『海洋天堂』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/kaiyoutendo/『鯨…

『マイティー・ソー』

マーベルのヒーロー大集合作品『アベンジャーズ』へ向けて着々と新キャラ・シリーズを重ねてゆくマーベルスタジオ最新作。今回は北欧神話をベースにした神様ヒーローの物語。 実はこの原作コミックスのことはまったく知らなかった。アメコミに詳しくないこと…

『蜂蜜』

セミフ・カプランオール監督による“ユスフ三部作”最終章。前作となる『卵』『ミルク』は機会なく未見。そもそもこの三部作、ユスフの純粋な一代記ではない。時間軸を無視して壮年期・青年期・幼少期を描いており、監督自身この主人公を同一人物とは名言して…

2011年7月第1週 公開作品

■7月1日(金)より『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/hangover2/■7月2日(土)より『VEIN-静脈-』 http://www.minipara.com/movies2011-2nd/vein/『赤い靴 デジタルリマスターエディション』 h…

『BIUTIFUL ビューティフル』

これまで群像劇ばかりを撮り続けていたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが一人の男(父親)の物語を描いた最新作。なんと言っても、末期がんを宣告された主人公を演じたハビエル・バルデムが素晴らしい。かなり重い物語で、鑑賞後に極度の疲労感が体…

『SUPER 8/スーパーエイト』

スピルバーグ製作によるJ.J.エイブラムス監督最新作。各所で言われているとおり1980年代のスピルバーグ作品へのオマージュにあふれた作品となっていて、当時の作品群をリアルタイムで体験していた世代には、抗うことのできない楽しみに満ちている。1979年と…

『127時間』

ダニー・ボイル監督最新作。断崖に右腕を挟まれて動けなくなった主人公アーロン・ラルストンが奇跡の生還を遂げた実話の映画化。主要登場人物はジェームズ・フランコだけという、アカデミー主演男優賞ノミネートも納得の熱演が心に残る傑作。 ダニー・ボイル…

『奇跡』

是枝裕和監督の最新作。芸人まえだまえだの二人を主演として九州新幹線全線開業をモチーフに描く群像劇。これがちょっとビックリな良作でした。もともと是枝作品はあまり得意ではなかったのだけれど、本作品はかなり好きな作品となった。『誰も知らない』以…

『アジャストメント』

マット・デイモン主演のユニバーサル映画というと「ジェイソン・ボーン」シリーズというイメージで、一般的にもスタジオ的にもすでに固着していると思われるが、不勉強ながらこのシリーズは観たことないし、続く『グリーン・ゾーン』も観ていない。しかも本…

『ブラック・スワン』

ダーレン・アロノフスキーはあまり好きな監督ではないのだが、思いのほか楽しい作品だった。ナタリー・ポートマンの作品全体を支配するほどの存在感が素晴らしく、公演初日が近づくに従い現実と妄想の境界が曖昧になってゆく主人公の追い込まれ方のハンパな…

『アンノウン』

リーアム・ニーソンが『96時間』での「怒れるお父さん」ばりの怖い表情で、失った記憶の中の自分を捜すサスペンス・アクション作品。監督は『エスター』のジャウム・コレット=セラ。製作にはコレット=セラ作品のプロデュースを続けているジョエル・シルバ…

『ミスター・ノーバディ』

『トト・ザ・ヒーロー』のジャコ・ヴァン・ドルマル監督が13年を経て撮った最新作。なんとも不思議な作品で、死を目前に控えた118歳の主人公が、彼の生まれた1970年代から2000年代を3人の女性を中心に幾通りもの「可能性の人生」を回想してゆく。その舞台は…