『きっと、うまくいく』

近年のインド製エンターテインメント作品を紹介する「ボリウッド4」からの2009年ラージクマール・ヒラニ監督作品。これは面白い。170分という長尺もまったく気にならず、心の底から楽しんだ。何より脚本が良くできている。愛おしき“おバカ3人”の痛快大学生活と、平行して描かれる10年後の彼らの物語の結末は、ド直球な極上エンターテインメントとして爽快な後味を残す。それでいながら経済発展の著しい現代インドの学歴競争社会を笑い飛ばしてみせる絶妙の物語バランスが素晴らしい。そしてすでに各所で言われている通り、この高度成長経済のスピードの隙間を泳ぎ渡ってみせる物語は1960年代にクレイジーキャッツ主演で描かれた東宝娯楽作品を思わせる。本当にとても面白い映画だし、もう一度観たいとも思うのだが、ただ不思議なのは鑑賞後それほど気持ちに残らなかったことか。


5月18日 公開
原題:3idiots
監督:ラージクマール・ヒラニ
出演:アーミル・カーン/カリーナ・カプール/R.マーダヴァン/シャルマン・ジョージー/ボーマン・イラニ/オーミ・ヴァイディヤ
脚本:ラージクマール・ヒラニ/アビジャート・ジョーシー/ヴィドゥ・ヴィノード・チョプラ 撮影:C.K.ムラリーダラン 音楽:シャンタヌ・モイトラ/アトゥル・ラニンガ/サンジャイ・ワンドレカール 編集:ランジート・バハドウル/ラージクマール・ヒラニ

【ストーリー】
日の出の勢いで躍進するインドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学ICE。未来のエンジニアを目指す若き天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械よりも動物が大好きなファラン、なんでも神頼みの苦学生ラージューの“三バカトリオ”が、鬼学長を激怒させるハチャメチャ珍騒動を巻き起こす。彼らの合言葉は「きっと、うまくいく!!」
それから10年後、ラファンとラージューは行方不明になったランチョーを探す旅に出る。

配給:日活
2009年/インド/170分/カラー/5.1ch/字幕:松岡環/字幕監修:いとうせいこう
(C)Vinod Chopra Films Pvt Ltd 2009.All rights reserved.

公式サイト http://bollywood-4.com/index.html

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