『天地明察』

江戸時代初期、ズレた暦を改めるため天体観測と算術を駆使して新しい暦を作成した男の物語。実話を基にした同名小説の映画化。監督・滝田洋二郎、音楽・久石譲、クセは強いがベテラン揃いの役者陣と、とりあえずは安定の一作。囲碁や算木という計算道具、算額絵馬といわれる風習など、これまでの時代劇にあまり登場しなかったアイテム描写も興味深い。鑑賞中はこれらアイテムの真新しさも手伝ってか、随所で若干の疑問を抱きながらも、まあ楽しく観ていた。けれど終わってみると、意外なほど後に何も残らない。作品の目指す方向が優等生過ぎたのだろう。クライマックス導入部での刻を告げる鐘の音をも編曲に取り入れた久石譲の楽曲に興奮した。

9月15日 公開
監督:滝田洋二郎
出演:岡田准一/宮崎あおい/中井貴一/松本幸四郎/佐藤隆太/市川猿之助/笹野高史/岸部一徳/渡辺大/白井晃/横山裕/市川染五郎
原作:冲方丁天地明察」(角川書店刊) 脚本:加藤正人/滝田洋二郎 音楽:久石譲 撮影:浜田毅 照明:安藤清人 録音:小野寺修 美術:部谷京子 編集:上野聡一

【ストーリー】
江戸時代、日本では暦に大きなずれが生じはじめていた。800年前の中国の暦を使っている影響だった。この時代、暦は、生活、宗教、政治、経済にまで影響を及ぼす重要な存在。そんな暦の間違いを正し、暦を作るという一大計画のリーダーに大抜擢されたのが、安井算哲。碁打ちでありながら、星の観測や算術に熱中する若者だった。暦を作るには、天文や算術の知識だけでなく、何年もかけて観測をし、天体の動きを観測するという途方もない労力が必要とされる。誠実な人柄とひたむきさで、決してあきらめずに挑んでいく算哲だったが、その先に待ち受けていたのは、挫折と失敗だらけの困難な日々だった。

配給:角川映画/松竹
2012年/日本/141分
(C)2012「天地明察」製作委員会

公式サイト http://www.tenchi-meisatsu.jp/index.html

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2012-3rd/tenchi-meisatsu/

天地明察 ブルーレイ豪華版 [Blu-ray]

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