『死にゆく妻との旅路』

2月26日 公開
監督：塙幸成
出演：三浦友和/石田ゆり子/西原亜希/掛田誠/近童弐吉/黒沼弘己/でんでん/松浦祐也/十貫寺梅軒/田島令子/常田富士男
原作：清水久典「死にゆく妻との旅路」(新潮文庫刊)

【ストーリー】
高度成長期、縫製ひと筋に生きてきた男は小さな工場を経営し、充実した日々を送っていた。が、中国製の安価な製品の流入が容赦なく経営を圧迫する。長引く不況に、膨れ上がる借金。万策尽きた時、男は妻の癌を知るー。「これからは名前で呼んでほしい」と呟く妻。なけなしの50万を手にワゴン車に乗り込み、ふたりの最後で最初の旅がはじまった。

配給：ゴー・シネマ
2011年/日本/113分/カラー/シネマスコープ/DTSステレオ
(C)2011「死にゆく妻との旅路」製作委員会

公式サイト　http://www.tabiji-movie.jp/

1999年に実際に起きた保護責任者遺棄致死事件の当事者である清水久典による手記の映画化。主演の三浦友和が良い。現在の日本映画界における三浦友和の立ち位置の確かさを再確認できるたようにも思えた。けれど映画作品としてはイマイチな印象が強く残る。実話であることと、まだ10年ほどしか経過していないため物語の当事者や関係者が現在も存命していることなど、物語として再構成するにはあまりに制約が多かったのだろうと、前向きに想像したい。のだけれど、実際の場所で撮影することへのこだわりなど「実話」であることを作品の拠り所にしているとしか思えず、物語としてどこにも着地できずにいるようにしか見えなかったことが残念。

ミニパラ　http://www.minipara.com/movies2011-1st/tabiji/

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