『恋とニュースのつくり方』
『プラダを着た悪魔』の脚本家アライン・ブロッシュ・マッケンナによるオリジナル脚本を『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェルが監督したワーキングウーマン・ロマコメ作品。主演のレイチェル・マクアダムズをはじめハリソン・フォード、ダイアン・キートンの好演もあって、とてもステキな作品になっている。レイチェル・マクアダムズはかわいいし、ハリソン・フォードの仏頂面もダイアン・キートンのハッチャケぶりも楽しい。
このジャンルの作品はあまり積極的には観ないのだけれど、それでも時々、本作品のように良くできた映画を観ると物語の語り口の巧妙さに乗せられて楽しんでしまう。
2月26日 公開
原題「MORNING GLORY」
監督:ロジャー・ミッシェル
出演:レイチェル・マクアダムス/ハリソン・フォード/ダイアン・キートン/パトリック・ウィルソン/ジェフ・ゴールドブラム【ストーリー】
舞台は、ニューヨークのTV局。失業中のベッキーは、全国ネットの朝の情報番組のプロデューサーに採用されて喜ぶが、それは局から見放された低視聴率番組だった。伝説の報道キャスターを抜擢し、同僚プロデューサーからデートに誘われ、仕事に恋に順調なスタートを切ったはずが、番組の人気は低迷するばかり。ついに上司からは、6週間で視聴率を上げなければ、番組は打ち切りだと宣告されてしまう。果たしてベッキーは、視聴率と恋愛力アップを成し遂げることが出来るのかー?配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
2010年/アメリカ/107分/6巻/シネマスコープ/字幕版/DTS・SRD・SDDS・SR(シアンダイ)/2,945m/9,662Ft./日本語字幕:戸田奈津子
(C)2010 Paramount Pictures All Rights Reserved.公式サイト http://www.koi-news.jp/
ハリソン・フォードが珍しくコメディ作品に出演していることが話題になっているが、本作品の主役は何といってもアライン・ブロッシュ・マッケンナの脚本である。「映画は脚本が大事」とは国の内外を問わず言われていることであり、場合によっては「脚本さえ良ければ誰が撮っても良い映画ができる」とさえ言われることもある。そんな「脚本の重要性」は商業映画としては当然であり、今さら言及するようなことでもないことは充分に解っているつもりでもある。けれどこの『恋とニュースのつくり方』という作品を観てしまうと改めてそんな当たり前の事実を認識し直すことになる。
本作品の脚本が良くできていると言っても特筆するような真新しい要素はない。ストーリーもド直球だし、物語の舞台を変えれば過去にいくらでも同じような映画はあるだろう。それでもキャラクターの軸を確立した上で物語のセオリーをきちんと踏まえながら、幾つもの伏線を、物語の推進力を遮らず、しかも効果的に回収してゆく。そんな基本ができているだけで、これほどにも安心して楽しめる映画になる。でもそんな基本を押さえた脚本を書くことが実はとても大変なことでもある、というのもまた周知の事実なのだが。
もちろん本作品以上に「良くできている」と言われる脚本もジャンルを問わずたくさんあるだろうし、ハリウッド・ロマコメの中にも数多くあるだろう。けれどロマコメにジャンルを限定したとしても、ハリウッド映画界全体の中である程度コンスタントに良い脚本を生産し続けていることはやはりスゴイなと思うし、ハリウッド映画化の層の厚さみたいな物を垣間見てしまう。
先述したようにハリウッド・ロマコメ映画はあまり観ない。この手のライトな作品ばかり見続けても食傷してしまうだろうが、昨今のようにややバイオレンス描写の多い作品の数が増えてきている中で、年に一度か二度、本作品のような映画を観ることは気持ちのリフレッシュをするようで気持ちが良い。そんな清涼剤映画。
ちなみに蛇足ながら、原題「Morning Glory」は「あさがお」の意だが、俗意は「朝勃ち」。製作者たちがまさか知らぬでもなし、どこをどう裏目読みすれば良いかも判らぬが、そんな観方もありかもしれない?
ミニパラ http://www.minipara.com/movies2011-1st/koi-news/
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