『アサルトガールズ』

押井守の『アヴァロン』以来8年ぶりとなる実写長編作品。
オムニバス作品
『真・女立喰師列伝
『斬〜KILL〜』
の一篇としてそれぞれ製作された
2本の短篇「アサルトガール」の延長上にある作品。
1作目の佐伯日菜子
2作目の菊地凛子が再登場し、
新たに黒木メイサが加わる。


12月19日 公開
監督:押井守
出演:黒木メイサ/菊地凛子/佐伯日菜子/藤木義勝/イアン・ムーア

【ストーリー】
荒廃した熱核戦争後の地表を模した仮想空間〈アヴァロン(f)〉に集まった、3人の美しいプレイヤーたち。ターゲットである巨大モンスター“ナスクジラ”を相手に、ある者は馴染みの銃を手に、ある者は魔法の力で鳥に変身し、バトルをくりひろげる。ある日、伝説の超大物ナスクジラ“マダラ”を狩るべく、パーティを組んだ彼女たちだったが……。はたして誰がヤツを仕留めるのか−!?

配給:東京テアトル
2009年/日本/70分/カラー/35mm/ビスタサイズ/ステレオ
(C)2009 八八粍・デイズ/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント

公式サイト http://assault-girls.nifty.com/

70分と作品時間も短く、
長編と呼んでよいのかも疑問が残るが、
一応、
単独作品として製作された本作品。

前哨戦たる2本の短篇「アサルトガール」での
テーマの第一義とされていた

「女優を美しく撮る」

という主題は本作品でも最前面に押し出されており、
主演女優3人が良い。

また竹田団吾による、
黒木メイサ佐伯日菜子のボディラインを強調した衣裳デザインが素晴らしく、
特に黒木メイサのスタイルのよさも相乗して、
それだけで充分に非現実感(ファンタジー)を映像に定着させている。

ただし、
女優3人を撮ることで世界観が成立してしまうことに執着しすぎたのか、
物語となるストーリーはあっても、
本当に簡単な4コマ漫画のようなものになってしまっている。

冒頭のナレーション部分を除けは、
全編が仮想空間であるオンラインゲームの中だけで進行する。
しかも、
ゲームの名前は「アヴァロン(f)」。
前作で登場するゲーム「アヴァロン」の新作とのこと。

蛇足ながら、
物語の中盤で主人公たちがパーティーを組むために徘徊する長いエピソードの中に
「二ノ宮金次郎像」
が登場する。
この砂漠に半分埋もれたオブジェに
何の意味があるのか全く分からなかった。
鑑賞後にプレスシートのストーリーを読んで初めて
ゲーム内の連絡ポッドであることが分かったのだが、
二ノ宮金次郎である必要があったのかは、
いまだ分からない。

あまりに内容がないため、
物語のカタルシスを感じることもできず、
消化不良気味ではあるが、
主演女優3人を観るための作品とすれば、
充分に魅力的な作品であろう。

なにせ、
鑑賞後に残るのは
黒木メイサ佐伯日菜子のヒップラインだけなのだから。

嫌味ではなく、
個人的にはそれだけでも価値ある作品でした。

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