『東のエデン 劇場版 I The King of Eden』

テレビアニメ『攻殻機動隊 S.A.C.』や
精霊の守り人』の神山健治監督による
初の完全オリジナル作品として
今年4月からテレビ放送された『東のエデン』。

キャラクターデザインを
ハチミツとクローバー』の羽海野チカが手がけたことも
話題になっていた。


11月28日 公開
原作・脚本・監督:神山健治
出演:木村良平/早見沙織/宮内敦士/江口拓也

【ストーリー】
2011年2月19日。60発のミサイルが日本を攻撃した。誰にも知られることなくその危機を救った滝沢朗は、事件後、忽然と姿を消す。彼を見守った森美咲に、ノブレス携帯と、「僕はずっと、君と一緒に旅した場所にいます…」というメッセージを残して。
それから半年後。Mr.OUTSIDEによって選ばれた12人のセレソンたちのゲームは、終わっていなかった。
再び動き出す彼らの活動履歴と、滝沢のメッセージを頼りに、咲はひとり、ニューヨークへと旅立つー。

配給:アスミック・エース
2009年/日本
(C)東のエデン製作委員会

公式サイト http://juiz.jp/blog/

企画当初より、
テレビシリーズ放送終了後に劇場版があり、
劇場版にて完結することは発表されていた。
なので、この劇場版はテレビシリーズの続き。
シリーズの総集編などの併映もないので、
完全に一見さんお断りな作品となっている。
しかも二部構成で、今回はその第一部のみ。
完結編となる第二部『劇場版 II Paradise Lost』は
来年1月の公開を予定している。

完結していない物語の前半だけしか観ていないので、
特に書くことはない。
テレビシリーズの続きである以上、
全11話とはいえ、観ていることが前提だし、
その11話を楽しめた人しかこの劇場版は観ないのだろうから、
そういった人たちには充分に楽しめる前半になっていたと思う。

冒頭にも書いたように、
この作品はテレビシリーズから劇場版までで完結することが
当初から決まっていたが、
どうやらその内容に関してはいろいろとあった様子。
企画段階では、
テレビシリーズの最終話で描かれる
「60発のミサイル攻撃」が本当の結末で、
劇場版で描かれるはずのエピソードだったらしい。
けれど放送局側から
「テレビで一度完結させて欲しい」との要請があり、
シナリオの大幅改定が行われているとのこと。
そのため、
設定上に多くの謎を残したまま
「60発のミサイル攻撃」にてテレビシリーズは完結し、
劇場版用に新たな物語を書き足している。

その意味では、
劇場版が完結編というよりも続編に近くなっている。
実際、
劇場版の物語はテレビシリーズの半年後を舞台としており、
咲が滝沢と再会するまでやその後の展開も、
テレビシリーズと呼応するように意図的に構成されている。

ある種の心地よい予定調和の中で、
新たに展開していく物語。
そして急展開を迎えたところで、
当然のように「さあ、ここからです」と第二部へ続いていく。

けれど個人的には、
いまいちラストの盛り上がりに欠けたように思う。
もう少し、
ハッタリでもいいから、
「ちょっとまて、そこで終わるか!」
という高揚感が欲しかったと思う。

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