『ホースメン』

チャン・ツィイーが猟奇殺人犯を演じたことで話題の本作品。
マイケル・ベイが製作で作品時間が90分となれば、
作品に「深み」を望むのは
「無い物ねだり」と言えよう。


10月24日 公開
原題「HORSEMEN」
監督:ジョナス・アカーランド
出演:デニス・クエイド/チャン・ツィイー/ルー・テイラー・プッチ/パトリック・フュジェット

【ストーリー】
極太の釣り針で宙吊りにされた屍体、それを囲むように「COME AND SEE=来たれ」のメッセージが残された奇妙な猟奇殺人。 事件は刑事・ブレスリンを挑発するかのように連続殺人へと展開してゆく。 この“儀式”一体誰が?何のために?被害者の娘の不気味な告白で事態は一層迷宮へ入り込む。 そして突き当たったヨハネの黙示録・四騎士=ホースメンの記述が、全ての謎を解く鍵なのか? さらに事件は誰もが予想しえない、衝撃の結末をむかえる!

配給:カルチュア・パブリッシャーズ
2009年/カナダ・アメリカ/91分/ビスタサイズ/ドルビーSRD
(C)2008 Horsemen Productions, LLC All Rights Reserved.

公式サイト http://www.horsemen.jp/

監督はミュージックビデオ出身のジョナス・アカーランド。
長編第2作とのことだが、前作は未見。

物語の要所だけをピックアップして並べたような作品で、
とても乱暴で速い展開をしていく。

この作品の主題をきちんと描くためには、
90分という時間は短すぎる。
最低でもあと30分、必要であれば1時間くらいは長くても良い。

物語自体は決してつまらなくないし、
きちんとサスペンスとしての段階を踏んで
丁寧に物語を語っていけば、
充分に面白い作品になっていたのではないだろうか。

おそらく、
最初に書かれた脚本からエピソードが大幅に削除され、
強引に短くされたと思われる。

個人的意見だが、

まっとうな物書きであれば、
サスペンスの経緯はきちんと描きこんでいきたいところだと思うし、
それこそが醍醐味というものだ。
逆に小気味良いテンポを重視するなら、
もっと違う作品になっていたはずだ。

プレスシートには、
企画ら製作への過程が説明されていないため
詳細は分からないのだが、
想像するに
プロデューサー側の意向による力技の結果なのだろうと思われる。

映像もミュージックビデオ監督らしい
凝った画作りになっているし、
美術も、
サスペンションという儀式から発展した嗜好を
リアル(なのだろう)に描いていて、
観ているだけでも痛い。

この手の演出は私もあまり好きではないが、
嫌いな人には本当にツライだろうと思えるリアルさだ。

これで物語がきちんと描かれていれば、
本当に面白い作品になるかもしれなかったのに、
残念でならない。

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