『いけちゃんとぼく』

西原理恵子の同名絵本を原作に映画化した作品。
この手の映画化作品は成功する例が少なく、
特に西原理恵子の作品はむづかしいと思う。
だからほとんど期待せずに観たのが良かったのか、
意外と面白かった。


6月20日 公開
監督・脚本:大岡俊彦
出演:蒼井優(いけちゃん・声)/深澤嵐/ともさかりえ/荻原聖人/吉行和子
原作:西原理恵子「いけちゃんとぼく」(角川書店刊)

【ストーリー】
`いけちゃん´は不思議ないきもの。いつの頃からいつもヨシオのそばにいる。山登りや虫取りにもついてきてくれるいけちゃんは、ヨシオにしか見えないし、色も形も変幻自在。お父さんが死んだときも、イジメっこにいじめられたときも、いつもそばで見守っていていてくれた。ヨシオが大人に成長するにつれ、だんだん見えなくなっていくいけちゃんだが、その正体は・・・・・・。

配給:角川映画
2009年/日本/107分/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSR
(C)西原理恵子角川書店、2009「いけちゃんとぼく」製作委員会

公式サイト http://www.ikeboku.jp/

物語は原作をベースにして、
映画として必要であろう「ぼく」の成長とクライマックスを
分かりやすく提示できる設定を加えている。
「いけちゃん」は全編CG。
シンプルすぎるデザインの「いけちゃん」は、
どうやっても画面の中で浮いてしまうが、
慣れれば気にならなくなる。
これは「いけちゃん」の声を担当した蒼井優の功績だろう。
「ぼく」役の深澤嵐もがんばっているが、
何と言っても蒼井優の「いけちゃん」が良い。
作品自体は、
ところどころ誇張しすぎな部分もあり、
気になる箇所も散見するけれど、
全体的には上手くまとまっている方だと思う。
というか、
多少の問題があっても、
蒼井優がすべてを忘れさせてくれるのだ。
しつこいようだが、
それだけ、この作品における蒼井優の存在は大きい。
原作や西原理恵子のファンに手放しでオススメはしないが、
過度の期待を持たずに観れば、充分に楽しめると思う。
なぜなら、蒼井優だから。

いけちゃんとぼく [DVD]

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