『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』

久し振りに名前を聞いた、トラン・アン・ユン監督最新作。
ちなみに続く次回作は『ノルウェイの森』とのこと。
これまでのベトナムを舞台にした3作品とは
ガラリと雰囲気が変わった本作品だが、
主演3人のキャスティングばかりが話題になっている。
確かに日本で話題になるのは当然だろうし、
このキャスティングゆえに全国公開されるんだろうけど・・・。


6月6日 公開
原題「I COME WITH THE RAIN」
監督:トラン・アン・ユン
出演:ジョシュ・ハーネット/木村拓哉/イ・ビョンホン

【ストーリー】
ある男が、失踪した。手がかりは、名前と年齢、数枚の写真だけだった。彼の名はシタオ。他人の痛みを身代わりとなって引き受けるという、不思議な力を持つ。彼の父の依頼により、元刑事の探偵クラインは、シタオ捜索の旅に出る。彼の足跡を辿ってLAからフィリピン、そして香港へとたどり着くクライン。そこで刑事時代の仲間メンジーと共に突き止めたのは、シタオがリリという女性と一緒にいるということ。そして、リリを溺愛し、追い求め続ける香港マフィアのボス、ス・ドンポもまた、シタオを探しているということであった。香港マフィアと警察の抗争、壮絶な逃亡劇に巻き込まれながら捜索を続けるクラインは、遂にシタオとの対面を果たす。しかし、そのとき彼の目に映ったシタオの姿とは−。

配給:ギャガ・コミュニケーションズ
2009年/フランス/114分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/PG-12
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

公式サイト http://icome.gyao.jp/

トラン・アン・ユン作品で印象的なのは、
あの官能的な映像だ。
西欧やアメリカでは絶対に撮れない、
アジアの湿度ある空気と肌の艶、そして黒髪。
トラン・アン・ユン以上にこれらを上手に撮れる監督なんて、
ほとんどいないだろう。

本作品においても、その手腕は健在だ。
ただ、被写体が女性ではなく男性だけど。
さらに木村拓哉にいたっては、
ほぼ全編で血まみれだけど・・・。

物語については、あまり語るべきことがない上、
その方向に持って行ってしまうのか?と、
微妙な拒絶感を抱いてしまった。

ま、この作品の場合、
物語なんてどうでもいいわけで、
要は、男3人をいかに美しく撮るかだけに終始しているのです。
それぞれのファンには「たまらない」かもしれないが、
あまりにも「それ」だけなので、
途中でお腹一杯になってしまいます。
しかも、「痛い」シーンが多いので肩が凝ります。

かなり好き嫌いが別れる作品ですね。

それでもやはり、
アジア人の肌を撮らせたら上手いです。
そして意外なほどRadioheadの音楽が合っています。