『スラムドッグ$ミリオネア』

アカデミー賞 最優秀作品賞他 8部門受賞作品。
面白かったし、良い映画だと思うけれど、
特に語るべきことが見当たらない作品。


(4月18日 公開)
監督:ダニー・ボイル
出演:デーヴ・パテル/フリーダ・ピント/マドゥル・ミッタル

少年ジャマールは、警察に逮捕された。
理由は、世界最大のクイズショー「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと一問正解を出せば番組史上最高額の賞金を獲得できるところまで勝ち抜いたからだ。学校にも行ったことがないスラム育ちの彼が、一体どうやって全ての答えを知りえたのか?
過激なまでに貧困と富が混在するインド・ムンバイを疾走しながら、<望まなくとも答えを知ることとなった>少年の過酷な人生と運命。そして明かされる、彼がクイズに参加した本当の目的−。幼い頃に生き別れてしまった幼なじみの少女。彼女が見ているかもしれない、という希望にかけて、彼は番組に参加したのだった。一問正解するごとに、近づいていく運命の人。もう一度会いたい。ただ、その一心でジャマールは答え続ける。
インド中が息を飲んで見守る中、彼に出された最後の質問は、ジャマールの人生を試すような驚くべき質問だった−。

配給:ギャガ・コミュニケーションズ
2008年/イギリス/120分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル
(C)2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation

公式サイト http://slumdog.gyao.jp/

これまで、ダニー・ボイルの作品は、
好きな作品と、そうでない作品にハッキリ別れていたが、
本作品は、そのどちらでもない作品となってしまった。
きっと、
脚本化した時点で作品のほとんどが完成してしまっているのだろう。
別にダニー・ボイルでなくても良いんじゃないかと思ってしまう。

本作品は3つの時間軸で構成されており、
○生放送された番組の収録スタジオ。
○放送後に逮捕されて尋問を受ける警察署。
○尋問中に語られる主人公の過去。
が同時に語られ、
翌日に持ち越された最後の一問に向けて収束していく。

3つの時間軸のどれかが強調されるわけではなく、
(もちろん情報量の差による割合の違いはあるが)
バランス良くスマートに語られる。
どこか1箇所に偏らないバランス感覚の良さは、
ダニー・ボイルの手腕なのかもしれない。

それともう一つ。
音楽が良かった。
この辺のセンスもダニー・ボイルなのだろう。
作曲としてクレジットされているのはインド映画界では有名な人らしいが、
劇中で流れる「歌もの」に彼がどこまで関わっているのかは、
よく分からない。
アカデミー主題歌賞も受賞しているテーマ曲をはじめ、
「歌もの」の楽曲が印象深く、サントラCDが欲しくなる。

スラムドッグ$ミリオネア[Blu-ray]

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