『ホルテンさんのはじめての冒険』

定年退職するベテラン鉄道運転士が第二の人生を迎えるにあたり、「自分探し」に模索する物語。
勤続40年、仕事中心に生きてきた主人公ホルテンさんは、退職したものの、日々の過ごし方が分からず、出かけた先々で大小さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう。退職後も運転士の制服を着て外出し、出会った人々に自身のことを「運転士」と語るホルテンさんは、多くの人々と出会う中で、今まで仕事を理由に先送りにしていた「自己」を探すことになる。そんなホルテンさんの「自分探し」をユーモアたっぷりに描いていく。
ユーモアたっぷりに描いていくのだが、ホルテンさんは全ての事柄に対して、意外と洒落にならない行動をとり、非常に中途半端なところで逃げ出してしまうため、とても迷惑な人になっていて、個人的には素直に受け入れることができなかった。
そんなことを物語の節々に感じながらも、作品としては観ていて面白かったし、小ネタのようなユーモアも楽しい。上映時間90分という短さがよいのだろう。ホルテンさんがこれまでの人生から飛び出し、制服を脱いで迎えた「自己」に、少なからず感動を覚える。


2月21日 公開
原題「O'HORTEN」
監督・脚本:ベント・ハーメル
出演:ボード・オーヴェ/ギタ・ナービュ/エスペン・ションバルグ/ビョルン・フローバルグ

【ストーリー】
ノルウェーの首都オスロと第2の都市ベルゲンを結ぶ“ベルゲン急行”。雪原を縫って走るこの列車に乗務するホルテンさんは、この道40年のベテラン運転士。線路沿いのアパートで小鳥と一緒につつましく暮らし、毎日決まった時刻に決まった仕事をこなしている。でも、それもおしまい。定年退職を迎えるのだ。
ところが、“明日が退職日”という夜から、規則正しいホルテンさんの日常は脱線していく。退職日のその朝に運転するはずの列車に乗り遅れ、サウナの後に赤いハイヒールを履く羽目になり、挙げ句のはてには、“目隠しドライブ”をする男の車に同乗していた!

配給:ロングライド
2007年/ノルウェー映画/90分/ノルウェー語/35mm/ドルビーデジタル/日本語字幕:石田泰子
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ホルテンさんのはじめての冒険 [DVD]

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