『ヘブンズ・ドア』

1997年のドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」の日本版リメイク作品。
オリジナル版との大きな変更点は、主人公が男2人だったのが、男と14歳の少女になったことくらいで、物語の大きな流れは変わらない。もちろん部分部分での設定やキャラクターの変更はあるが、どれも中途半端すぎて、何の効果があるのか分からない。もっと大胆にオリジナル版から離れるべきだったのではないだろうか。主人公の設定変更も、無難といえば無難な選択なのだろうが・・・。
オリジナル版はコメディ要素も強く、悲劇と喜劇が同時に存在する傑作となっていた。いわゆる「おもろうて、やがて哀しき」物語は比較的簡単でも、どうしようもない悲劇を抱えながら喜劇を語ることは、難しい。現代日本を舞台に物語を語る以上、どうやっても湿っぽくなるのだから、無駄にスタイリッシュな方向を目指さずに、とことん湿っぽくしてしまった方が「日本映画」としての道を探せたのではないかと思う。でなければ、徹底的に現実的な世界観を放棄してしまえば、良かったかと思う。
いずれにせよ全てが中途半端で、お金のかかったテレビドラマみたいな作品だった。


2月7日 公開
監督:マイケル・アリアス
出演:長瀬智也/福田麻由子/長塚圭史/大倉孝二/田中泯/三浦友和
原案:“KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR” Original Screenplay by Tomas Jahn & Til Schweiger

【ストーリー】
好き勝手に生きてきた28歳の勝人は、ある日突然、余命わずかと宣告される。途方に暮れる彼が出会ったのは、幼い頃から病院で暮らし、外の世界を知らない14歳の少女・春海。彼女も病で、勝人と同じように長くは生きられない。海を見たことがない春海のため、勝人たちは病院を抜け出し、海を目指すことに。ところが盗んだ車には、拳銃と大金が積まれていた。警察、謎の組織、死の恐怖に追われながら、「死ぬまでにやりたいこと」を叶えていく二人。残された時間は、あとわずか。はたして二人だけの“天国”には、たどりつけるのだろうか?!

配給:アスミック・エース
2009年/日本/106分/スコープサイズ/ドルビーデジタル/カラー
(C)2009アスミック・エース エンタテインメント/フジテレビジョン/ジェイ・ストーム

ヘブンズ・ドア [Blu-ray]

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