『SHORT PEACE』

大友克洋の新作短編『火要鎮(ひのようじん)』が最大の注目となる“日本”をテーマに据えたオムニバス作品。どれも楽しかったが、白眉はやはり『火要鎮』か。絵巻物のイメージによる疑似ワンカットな冒頭に「またこういう手法なのか」と、ややテンションの下がったのだが、そこから展開される一大スペクタクルに目が離せなくなった。おそらく今回の4篇のなかで作品時間がいちばん短い『火要鎮』だが、物語とその映像表現における濃度は他の作品を凌駕している。とはいえ他の作品もそれぞれ充分に堪能できるだけの楽しさに満ちている。なかでも『GAMBO』の禍々しさはかなり好き。今更ながらに、でも改めてアニメーションの作品世界の具現化においてCGが広げてみせた振り幅の大きさと深さに感嘆する。


7月20日 公開
監督:大友克洋/森田修平/安藤裕章/カトキハジメ/森本晃司
出演:早見沙織/森田成一/山寺宏一/悠木碧/草尾毅/田村睦心/浪川大輔/二又一成/檀臣幸/牛山茂/大塚明夫/置鮎龍太郎/春名風花

【ストーリー】
『九十九』嵐の夜に深い山中で男が迷い込んだ祠に現れたのは、捨てられた物に憑いたモノノケたちだった。『火要鎮』惹かれあいながらも結ばれぬ商家の娘と幼馴染の男。娘の情念は大火事を引き起こし江戸の町を焼き尽くす。『GAMBO』戦国時代末期。村に鬼が現れ略奪の限りを尽くす。少女は出会った白い熊に救いを求め、鬼と白熊との激闘がはじまる。『武器よさらば』砂漠の中の廃墟と化した東京。武装小隊は一台の戦車無人兵器と遭遇戦となり、小隊は窮地に陥っていく。

配給:松竹
2013年/日本/68分
(C)SHORT PEACE COMMITTEE (C)KATSUHIRO OTOMO/MASH・ROOM/SHORT PEACE COMMITTEE

公式サイト http://shortpeace-movie.com

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2013-2nd/shortpeace/

ランキングに参加しています。もしよろしければクリックして頂くと嬉しいです。
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村