『ファミリー・ツリー』
アレクサンダー・ペイン7年振りの新作。とても地味な作品だけれど、心に深く沁みる素敵な作品でした。評判に違わずジョージ・クルーニーが素晴らしいのだが、彼の娘を演じるシャイリーン・ウッドリーの好演も印象深い。主人公は莫大な遺産を継ぐ富豪。でもこの作品で彼が抱えるトラブルは誰もが直面し得る家族とそれに付随する問題である。しかもその問題解決にあたり、作中に正義となる絶対の価値観は提示されない。そこに何を感じるかは観客に委ねられており、その意味でもとても懐の深い作品。大団円も壮大なカタルシスもないけれど、観る人の心に優しく触れて、これからの日常を過ごしてゆくためのほんの少しの勇気をくれる、そんな作品。
5月18日 公開
原題「THE DESCENDANTS」
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ジョージ・クルーニー/シャイリーン・ウッドリー/アマラ・ミラー/ニック・クラウス/ボー・ブリッジズ
脚本:アレクサンダー・ペイン/ナット・ファクソン/ジム・ラッシュ
原作:カウイ・ハート・ヘミングス
撮影:フェドン・パパマイケル, ASC
プロダクション・デザイナー:ジェーン・アン・スチュワート
編集:ケヴィン・テント, A.C.E.
音楽スーパーバイザー:ドンディ・バストーン【ストーリー】
ハワイ・オアフ島で弁護士をするマット・キングは美しい妻と二人の娘とともに堅実な人生を生きてきた。事故で妻が昏睡状態に陥ってしまうまでは。
妻に任せきりだった子供たちは手に負えない上に、カメハメハ大王の血を引く祖先から継承した広大な土地の扱いで決断を迫られていた。売却すれば一族皆に巨額の富が入るが、大自然は失われてしまう。
そんなとき、妻に恋人がいて離婚を考えていたことが発覚する。しかも長女までが知っていた。堅実な人生だと信じていたのは、本人だけだったのだ。愕然としたマットは、家族と自分のルーツに向き合い、心を決める。配給:20世紀フォックス映画
2011年/アメリカ/115分/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD/
(c)2011 Twentieth Century Fox
ミニパラ http://www.minipara.com/movies2012-2nd/familytree/
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