『戦火の馬』
スティーブン・スピルバーグ最新作。マイケル・モーパーゴの同名小説の舞台化に感銘を受けたスピルバーグが映画化を熱望し、その7ヶ月後には撮影に入っていたという入魂の一作。これが素晴らしい作品だった。
馬(もちろん喋ったりしない)が主人公という少し変わった物語だが、第一次大戦下で遭遇する人々の善意をつなぎながら、敵対する各国軍を移り渡ってゆく。そんな主人公(馬)ジョーイの感情表現とイングランド南西部をはじめとする雄大な自然を映し出した映像を、ジョン・ウィリアムズのイマジネーション豊かな音楽が彩ってゆく。もちろん撮影も素晴らしいのだが、今回この作品最大の功労者はジョン・ウィリアムズだろう。
スピルバーグらしい悪趣味描写も相変わらず随所にみられるが、作品全体を通底しているのは戦争の残酷さや時代に翻弄させる悲壮ではなく、未来に光の見えない絶望の中で紡がれてゆく人々の善意と希望の物語であった。
3月2日 公開
原題「WAR HORSE」
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:リー・ホール/リチャード・カーティス
原作:マイケル・モーパーゴ
撮影監督:ヤヌス・カミンスキー
プロダクション・デザイナー:リック・カーター
編集:マイケル・カーン、A.C.E.
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:エミリー・ワトソン/デヴィッド・シューリス/ピーター・ミュラン/ニエル・アレストリュプ/ジェレミー・アーヴァイン【ストーリー】
第一次大戦前夜のイギリスの農村。貧しい農家にひきとられた一頭の美しい馬は、ジョーイと名付けられ、この家の少年アルバートとかけがえのない絆で結ばれる。だが、開戦によってジョーイはアルバートから引き離され、英国軍の軍馬として戦場の最前線に送られてしまう。死と隣り合わせの過酷な日々の始まりは、ジョーイの驚くべき旅の始まりであり、彼がやがてめぐりあう戦時下の人間たちの、切なくも美しいドラマの始まりだった…。配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2011年/アメリカ/147分/ドルビーSR/シネスコサイズ/日本語字幕翻訳:戸田奈津子
(C) Dream Works II Distribution Co., LLC.All Rights Reserved.
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