『ブルーバレンタイン』

ミッシェル・ウィリアムズの好演も話題の本作品。デレク・シアンフランシス監督の長編2作目となる。なお前作『Brothe Tied(1997年)』は日本未公開。ドキュメンタリー作品が多いようで、他の劇映画で撮影監督も務めているとのこと。けれど関わったいずれの作品も日本では紹介されておらず、本作品が日本初紹介作品。
結婚17年目の夫婦の現在と出会った頃の物語を同時進行で描いてゆく物語構成はよくある手法ではあるけれど、脚本改訂に11年かけただけに巧妙で、スーパー16mmフィルムで撮影された「良き過去」と2台のRedカメラでデジタル撮影された「倦怠に満ちた現在」の対比構造が良い。
現在パートは2日間の物語であり、その合間に挿入される過去パートは当然もっと長い時間の物語である。そのため過去パートの方が断片的ではあるが華やかなエピソードが多く、見ていて楽しい。反して現在パートはすれ違いの連続で、二人の未来に希望を感じることはできない。過去パートが華やかで奔放であればあるほど、現在パートの重苦しさはギリギリと観客の心を絞り上げてゆく。そんな夫婦の機微を見事に演じたライアン・ゴズリングミシェル・ウィリアムズが本当に素晴らしい。


4月23日 公開
原題「Blue Valentine」
監督:デレク・シアンフランシス
出演:ライアン・ゴズリング/ミシェル・ウィリアムズ/フェイス・ウラディカ/マイク・ヴォーゲル

【ストーリー】
結婚7年目のディーンとシンディは娘のフランキーと3人で暮らしている。長年の勉強の末資格を取り、病院で忙しく働く妻シンディの一方、夫のディーンの仕事は芳しくない。お互い相手に対して不満を抱えているが、口にしたら平和な生活が壊れてしまうことも知っている。出会った頃の二人は若く、夢があり、お互いに夢中だった。恋に落ち愛が生まれ育っていく、幸せな日々。そんな二人の過去と現在が交錯していく…

配給:クロックワークス
2010年/アメリカ/112分/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル・ドルビーSR/字幕翻訳:岸田恵子
(C)2010 HAMILTON FILM PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED

公式サイト http://www.b-valentine.com/

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2011-1st/b-valentine/

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