『英国王のスピーチ』

エリザベス女王の父親にあたるジョージ6世の物語。それほど昔の話ではないのにイギリス王室でこんな物語があったなんて知らなかった。まあイギリス王室にそれほど興味があるわけでもないし、現在のエリザベス女王が即位して来年(2012)で60年だそうで、それくらいには昔の話なのだが。
監督はテレビドラマ出身のトム・フーパー。日本で作品が劇場公開されるのは本作が初めて。


2月26日 公開
原題「THE KING'S SPEECH」
監督:トム・フーパー
出演:コリン・ファース/ジェフリー・ラッシュ/ヘレナ・ボナム=カーター/ガイ・ピアース/ティモシー・スポール/デレク・ジャコビ/ジェニファー・イーリー/マイケル・ガンボン

【ストーリー】
幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、自分を否定しながら生きてきた男がいる。内気な性格から人前に出ることが最も苦手なこの男が、国王になってしまった。“王冠を賭けた恋”のために王位を捨てた兄の代わりに、望まぬ座についたジョージ6世、現在の英国女王エリザベスの父だ。
何人もの言語聴覚士の治療を受けても一向に改善しない夫を心配して、妻のエリザベスはスピーチ矯正の専門家ライオネルを訪ねる。固く閉ざされた心に原因があると気付いたライオネルは、独自の治療法とその率直な性格で、王の気持ちを解きほぐしていく。折しもヒトラー率いるナチスドイツとの開戦を余儀なくされ、揺れる国民は王の言葉を待ち望んでいた。王は国民の心をひとつにするべく、渾身のスピーチに挑むのだがー。

配給:ギャガ
2010年/イギリス×オーストラリア合作/118分/カラー/ヴィスタ/ドルビーSR、ドルビーデジタル
(C)2010 See-Saw Films. All Rights Reserved.

公式サイト http://kingsspeech.gaga.ne.jp/

すでに各所で大絶賛だが本当に素晴らしい作品。脚本も監督も役者も全てが完璧と言って過言ではない。なかでも特筆すべきはやはりコリン・ファースジェフリー・ラッシュの名演だろう。もちろんヘレナ・ボナム=カーターも素晴らしい。もうとにかく賛辞をならべると切りがない。
国王となる男が吃音を克服して成長してゆく物語なのだが、それは自分自身のことが嫌いで自身を否定し続けてきた男の心を、肯定し受け入れて見守り続ける妻の愛情とセラピストの友情が少しずつ解放してゆく物語でもある。何も特別なことはない「人の心」の物語。

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2011-1st/kingsspeech/