『フレフレ少女』

分かりきったことではあるが、新垣結衣のための作品。この一言に尽きる。
落ちこぼれ主人公たちが成長していくお定まりの青春映画なのだが、万事が万事、中途半端になってしまっている。監督である渡辺謙作の過去の作品は未見だが、これまでは自身で脚本を書いていたようで、本作品は初めて他の脚本家が書いた作品とのこと。脚本家はテレビアニメ出身のベテランライター。本作品の企画の成り立ちや製作に至る過程については全く分からないが、物語自体はロジックだけで組み上げられており、これまで幾多とある同じような作品と何の変わり映えもなく、面白味もない。作家でも監督でもプロデューサーでもいいから、誰か「個人」の強い想い(意図)が込められていれば、もう少し違う作品になったと思われるが、本作品は完全な「商業アイドル映画」でしかない。現場技術スタッフがベテラン揃いであるだけに、非常にもったいない。
主演の新垣結衣だけを見たいなら、それも良いだろうが・・・。全てが空回りしている本作品で、サイドストーリーとしてエンドクレジットに挿入される写真だけが印象に残っている。


10月11日 公開
監督:渡辺謙作
出演:新垣結衣/永山絢斗/柄本時生/斎藤嘉樹/染谷将太/内藤剛志

【ストーリー】
小説の中の恋に夢中な乙女チック女子高生・百山桃子。彼女の人生は、ある日、脳天を直撃する1球の暴投によって大きく変わってしまう。気を失った彼女を優しく介抱してくれた野球部のエースに、桃子は初めてホントの恋をしてしまったのだ。彼をずっと見守り続けたい!との思いから、部員わずか1名という廃部寸前の応援団に入部する桃子。しかし、部員集めに奔走する熱意を認められ、いきなり団長に指名されてしまう!! 寄せ集めの団員たちは、応援歌を歌えば音程を外し、大団旗を持てばフラフラと頼りない、筋金入りのへなちょこばかり。そんな桃子たちの前に、伝説の応援団OBまで現れて・・・!?

配給:松竹
2008年/日本/114分/ビスタサイズ/DTSステレオ
(C)2008「フレフレ少女」製作委員会

フレフレ少女 [DVD]

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