『ブレイブ ワン』

勧善懲悪映画でもなければ、アメリカ的ファミリー第一主義映画でもない、モラルの境界線上(グレーゾーン)を描いた、アメリカ大作映画っぽくない作品。個人的には充分楽しめたが、良くも悪くも爽快な結末はなく、明快な回答も提示されていない為、後味の良さを求めて観る人にはお薦めできない。ただ、あくまでもハリウッド映画なので過剰に説明的だし、理詰めもぬかりなく、分かりづらさはない。逆にやや鼻に付く部分もある。
この年齢の女優が演じたいと思う気持ちは分かるし、心意気も充分に伝わるのだが、やはり年齢的に無理を感じてしまう。あと10歳若ければよかったのにと思ってしまうのは、私だけだろうか。

10月27日 公開
原題「THE BRAVE ONE」
監督・脚本:ニール・ジョーダン
出演:ジョディ・フォスター/テレンス・ハワード/ナビーン・アンドリュース/ニッキー・カット/メアリー・スティーンバージェン

【ストーリー】
 それは、幸せの絶頂を襲った突然の悪夢だった―。
 ニューヨークでラジオ番組のパーソナリティーをつとめるエリカ・ベイン(ジョディ・フォスター)は、婚約者デイビッド(ナビーン・アンドリュース)との挙式を間近に控え、満ち足りた日々を送っていた。そんなある日の夕暮れ、愛犬をつれて散歩に出かけた二人は、三人組の暴漢に襲われる。金の要求に始まり、殴る蹴るの暴行、口汚い嘲りの言葉、その様子をビデオに撮ってはしゃぎながら、彼らは容赦なく二人をなぶり続けた…。
 瀕死の重傷を負ったエリカが病院のベッドで意識を取り戻したのは、それから3週間後のことだった。デイビッドの母親から聞かされた彼の死。行き場のない悲しみに打ちのめされるエリカ。NY市警の担当刑事が事情聴取に訪れるが、そこにはこの事件に真剣に取り組もうという意志は感じられなかった。
 退院しても心の傷は癒えない。外出しようとすると、事件のことがよみがえり、恐怖に足がすくんでしまう。一向に進展を見せない警察の捜査。被害者へのおざなりな対応。今すぐに、身を守る確かなものがほしい。エリカが手にしたのは、一挺の拳銃だった。
 最初の銃弾は自分を守るために放たれた―。偶然入ったコンビニで、男が妻を撃ち殺すのを目撃したエリカは、その銃口が自分に向けられた瞬間、生き延びるために引き鉄を引いたのだ。しかし、その一瞬からすべてが変わり始める。まるでエリカの中の別人が目覚めたかのように。

配給:ワーナー・ブラザース映画
2007年/アメリカ/122分/シネマスコープ/SRD・DTS・SDDS
(C)2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

ブレイブ ワン [Blu-ray]

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