『EX MACHINA -エクスマキナ』

前作に比べて映像が非常に綺麗になっており、感心する。ソフトやハードの進化か、はたまた予算の問題か、おそらくその両方であろうが、ややパステル調の淡い色彩は美しく、前作のギラギラした印象はない。キャラクターの動作も前作よりはるかに自然に見え、皆無ではないにしても、違和感は少ない。
ただ物語に驚きは少なく、映像や音楽のインパクトに比べると弱い。小道具の使い方も決して上手くないし、主要キャラクターの性格も一様に感情豊かで、所々の言動がこの手の日本アニメっぽくなく、妙なむずがゆさを覚える。このあたり、ジョン・ウーを始めとするアメリカスタッフが何処まで関係しているのか分からないが、日本人の発想ではさそうだ。そしてやはり、バイクアクションと2丁拳銃、忘れてはならない鳩も登場する。

10月20日 公開
監督:荒牧伸志
出演:小林愛/山寺宏一/岸祐二/沢城みゆき/五十嵐麗/高島雅羅/辻親八/加瀬康之
衣裳デザイン:Miuccia Prada (two of Deunan's costumes)
音楽監修:細野晴臣
原作:士郎正宗(青心社刊)

【ストーリー】
非核大戦後、停戦と共に誕生した、中立都市《オリュンポス》には、人間とサイボーグ、そして、人間の遺伝子でつくられ、怒りや憎しみを抑制された種族、バイオロイド(クローン)が共存していた。
2138年−。デュナンとブリアレオスは、《オリュンポス》の特殊部隊ES.W.A.T.に所属する戦士。戦闘時のパートナーであるふたりは、恋人同士でもあった。過去の戦いで負傷したブリアレオスの肉体がサイボーグになっていても、デュナンの愛は変わらず彼に向けられていた。ある日、作戦行動中にデュナンをかばったブリアレオスが、瀕死の重傷を負う。ブリアレオスの回復の兆しも見えないうちに、デュナンのもとに新たなパートナーが配属されてくる。その男−テレウスは、戦闘能力の高いブリアレオスの遺伝子をもとにつくられたバイオロイドであり、生身の姿だったブリアレオスと同じ顔と肉体を持っていた。
その頃、世界ではサイボーグが暴走するテロ事件が多発。同時に不審な電波も確認され、サイボーグたちは何者かに操られている可能性があった。《オリュンポス》のアテナ行政総監は、各国の首脳陣を集めた安全保障会議で、全ての国の観測・通信衛星を《オリュンポス》が統合管理して世界の監視力を強化する、“グローバル・セキュリティ・ネット”構想を実現させようとしていた。
次第に明らかになる、見えざる犯人たちの目的−未曾有の危機が迫る中、世界の存亡をかけた戦いが始まった。デュナンは何を守るために戦うのか? 彼女の選択が、人類の未来さえも左右しようとしていた−。

配給:東映
2007年/日本/105分/カラー
(C)2007 士郎正宗/青心社・EX MACHINA フィルムパートナーズ

エクスマキナ -APPLESEED SAGA- [Blu-ray]

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