『サディスティック・ミカ・バンド』

いい年のオッサン達が楽しそうで、カッコイイ作品。世界に対したトンガリも、奇抜さをねらうことも、表面には感じさせずに音楽を楽しんでいる感じがカッコイイ。こんな(日本人の)オッサンを見ると、年を取るのも悪くないと思える。
但し、作品としてはあまりいただけない。
NHKホールでのライブ映像とメンバーのインタビュー映像にリハーサルやレコーディング風景の断片映像を添えて構成されているのだが、その内容は、丁寧に作られたDVDの特典ディスク映像の様で、この作品をわざわざ「映画」として劇場公開しようとする意図が理解できない。
乱暴な言い方だが、もっと作家の独断と偏見に満ちた「物語」を感じられる、見ごたえのある「作品」にして欲しかった。

10月13日 公開
監督・撮影・編集:滝本憲吾
出演:加藤和彦/高橋幸宏/小原礼/高中正義/木村カエラ/奥田民生 ほか

【ストーリー】
1972年 デビューから瞬く間に音楽シーンを席巻した“サディスティック・ミカ・バンド”。
解散間際の1975年には、ロキシー・ミュージックとともにイギリス・ツアーを敢行し、アルバム「黒船」「HOT MENU!」が海外でも高い評価を得るなど、数々の伝説を残した。2度目の再結成を機に2007年3月8日にNHKホールで行なった、一夜限りの、そして最後(かも知れない)のスペシャルライブの模様を軸に、その軌跡と現在を追った音楽ドキュメンタリー映画が、ついに完成。アルバム・レコーディングの様子や、度重なる打ち合わせ、リハーサル、ライブのバックヤードの模様など、他で見ることの出来ない貴重な映像も収録。また、加藤和彦氏が音楽を担当し、その年の映画賞を総なめにした『パッチギ!』の井筒和幸監督が、本作品を監修している。

配給:シネカノン
2007年/日本/72分/35mm/ヴィスタサイズ/DTSステレオ
(C)SMB KIDS/ジェネオン エンタテインメントシネカノン