『ヒッチコック』 - T_J_Newton’s パンタージャ

言わずと知れた映画監督アルフレッド・ヒッチコックの『サイコ』撮影時の舞台裏を描いた伝記もの。波乱万丈なメイキング物語に、ある種の倦怠期であった妻アルマ・レヴィルとのその後に及ぶ確固たる関係を築く姿を描いてゆく。監督は本作が初の長編劇映画となるサーシャ・ガヴァシ。ともすると格調高いだけの平板な夫婦愛のドラマになりそうなところを、オフビートコメディ方向に大きく傾けた作風が良い。ヒッチコック作品をある程度でも見ていれば笑える場面も多く、何よりここで描かれるヒッチコックのわがまま爺ちゃんぶりが無類に楽しい。デヴィッド・フィンチャー作品を多く手がけるジェフ・クローネンウェスによる撮影も素晴らしく美しい。

4月5日公開
原題：HITCHCOCK
監督：サーシャ・ガヴァシ
出演：アンソニー・ホプキンス/ヘレン・ミレン/スカーレット・ヨハンソン/ダニー・ヒューストン/トニ・コレット/マイケル・スタールバーグ/マイケル・ウィンコット/ジェシカ・ビール/ジェームズ・ダーシー/リチャード・ボートナウ/カートウッド・スミス
脚本：ジョン・J・マクロクリン　原作：スティーヴン・レベロ「ヒッチコック＆メイキング・オブ・サイコ」改訂新装版(白夜書房刊)　撮影監督：ジェフ・クローネンウェス, ASC　プロダクション・デザイナー：ジュディ・ベッカー　編集：パメラ・マーティン, A.C.E.　衣装デザイナー：ジュリー・ワイス　音楽：ダニー・エルフマン
【ストーリー】
1959年、ヒッチコックは新作『サイコ』の製作に挑んでいた。後にサスペンスの金字塔と称えられ、現代に至るまで多くのクリエイターに影響を与え続けているヒッチコック最大のヒット作だ。だが、当時は映画史上かつてない斬新さゆえに、ヒッチコックは数々の試練にぶつかり、さらに最大の味方のはずの妻との関係までゆらぎ始める。監督として、そして夫として、ヒッチコックは岐路に立っていた。
配給：20世紀フォックス映画
2012年/アメリカ/99分/英語/カラー/シネマスコープ/日本語字幕：稲田嵯裕里
(C)2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
公式サイト　http://www.foxmovies.jp/hitchcock/