『ドライヴ』

ライアン・ゴズリング主演のクライム・サスペンス。まあ幾多とありげなクライムもので、特筆するような真新しい要素があるわけではない。この作品に全く感じ入ることができない人も確実にいると思うけれど、個人的には大ヒットでした。
役名もない寡黙で孤独な男が、愛した人妻のために報われないと分かりながらも彼女の夫のトラブルに手を貸し、さらに大きなトラブルに巻き込まれてゆく。という本当にどこにでもありそうな物語。けれど監督ニコラス・ウィンディング・レフンのスタイリッシュで巧妙な演出手腕と俳優たちの魅力あふれる存在感が、この作品を数多のクライム・ストーリーとは一味違ったステージに押し上げている。
また作品全体を通した色彩設計が素晴らしく、緑青とオレンジのコントラストを主とした寒色と暖色の配置センスに魅せられる。そして何といってもオープニング・クレジットの文字色がピンク色であることにもショックを受ける。鑑賞後にはこのピンク色こそが作品を象徴しているようにさえ感じられるから不思議だ。画面の中における俳優の佇まいを大事にしながら、多くを語らぬ登場人物たちの心情を更にこのような色彩設計で補間しているのだろう。
ライアン・ゴズリングあっての映画であることは間違いないが、キャリー・マリガンの佇まいも印象的。


3月31日 公開
原題「DRIVE」
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング/キャリー・マリガン/アルバート・ブルックス/ブライアン・クランストン/クリスティナ・ヘンドリックス/ロン・パールマン/オスカー・アイザック
原作:ジェイムズ・サリス(ハヤカワ文庫刊)
脚本:ホセイン・アミニ
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル, A.S.C.
編集:マシュー・ニューマン
音楽:クリフ・マルチネス
プロダクション・デザイン:ベス・マイクル

【ストーリー】
昼はハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手“ドライバー”。家族も友人もなく孤独に生きる男は、同じアパートに暮らす子連れの女性アイリーンと出逢い、互いに魅けれあう。しかし、彼女の夫が服役を終え帰還。ドライバーも一度は身をひく覚悟を決めるが、夫を組織から足抜けさせるための犯行を手伝ううちに、次第にマフィアの罠に絡め取られてしまう。愛する人を守るため、ドライバーほ裏社会を相手に危険な闘いを仕掛けていくが−。

配給:クロックワークス
2011年/アメリカ/100分/カラー/シネスコ/ドルビーデジタル/R15+/字幕翻訳:岡田壯平
(C)2011 Drive Film Holdings, LLC.All rights reserved.

公式サイト http://drive-movie.jp/

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2012-1st/drive/

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