『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』

1960年代のアメリカ南部ミシシッピを舞台にした黒人メイドの物語というだけで、ただ重い物語か安易な感動物語を想像してしまうけれど、さにあらず。軽やかな語り口にユーモアを織り交ぜながら紡がれる物語は群像劇の色合いが強く、146分という時間を感じさせない。何と言っても俳優たちが素晴らしい。すでに多くの賞を受賞している主役二人だけでなく登場する俳優全員が良いという“一年に一本出会えるか”の稀有な作品。人種問わず女性ばかりの物語で男たちはほとんど物語に機能していないためか、作品全体の色彩が鮮やなのも印象的。そんなユーモアと色彩にあふれたタッチで描かれる、悲喜こもごも全てまとめて人生とする力強い物語。


3月31日 公開
原題「The Help」
監督・脚本・製作総指揮:テイト・テイラー
出演:エマ・ストーン/ヴィオラ・デイヴィス/オクタヴィア・スペンサー/ブライス・ダラス・ハワード/ジェシカ・チャステイン/アリソン・ジャネイ/シシー・スペイセク
原作:キャスリン・ストケット「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜集英社文庫
撮影監督:スティーヴン・ゴルドブラット、ASC, BSC
プロダクション・デザイナー:マーク・リッカー
編集:ヒューズ・ウィンボーン、A.C.E.
音楽:トーマス・ニューマン

【ストーリー】
作家志望のスキーターは南部の上流階級に生まれ、黒人のメイドたちの存在が当たり前の地域社会で育ってきた。だが、大人になった彼女は、白人社会でメイドたちが置かれた立場が、もはや当たり前には思えなくなってくる。そして、身近なメイドたちにインタビューをしようと試みるが、メイドたちにとって真実を語ることは、この地域社会で生きる場所を失うことを意味していた。誰もが口をつぐむ中、親友の家のメイドだけがスキーターのインタビューに応じる。その小さな一歩は、やがて彼らを取り巻く社会を根底から揺るがす大事件へと発展していく…。

配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2011年/アメリカ/146分/ドルビーSRD/ヴィスタサイズ/日本語字幕:石田泰子
(C) 2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

公式サイト http://disney-studio.jp/movies/help/

ミニパラ http://www.minipara.com/movies2012-1st/help/

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