『河童のクゥと夏休み』

年齢性別を問わずに楽しめる良作。
物語に必要以上の突飛さもなく、安心して観る事ができる。上映時間は長いが、適度に笑える箇所もあり、長さを感じさせない。
但し、一部のキャスティングに関しては、やや抵抗を感じる。監督は演技よりも声の雰囲気を優先してキャスティングしたそうだが、いわゆる(お笑い)芸人の声がどうしても浮いてしまう。普通に顔を出し体を動かして芝居をしている分にはそれ程気にならず、むしろ良い存在感を出していても、声だけで芝居をすると、他の声優や俳優とは確実に違う空気を作ってしまう。どこか空回りをしていて、無理を感じてしまうのだ。
家族や友人と一緒に観るのも良いが、ふと疲れた時に一人でゆっくり観るのも、どこか贅沢で良い。そんな、ふところの深さを感じさせる作品。


7月28日 公開
監督・脚本:原恵一
声の出演:冨澤風斗/横川貴大/植松夏希/田中直樹(ココリコ)/西田尚美/なぎら健壱/ゴリ(ガレッジセール)

【ストーリー】
 夏休み前のある日、小学校の帰り道に上原康一は大きな石を拾った。持ち帰って水で洗うと、中から何と河童の子供が!! 第一声は「クゥ?!!」。家族は驚くが、康一はこの河童を「クゥ」と名付ける。クゥは康一たちと同じ言葉を話し、何百年もの間、地中に閉じ込められていたことがわかる。家族もクゥを受け入れ、クゥのことは家族の秘密にすることに決める。
 クゥと康一はすぐに仲良くなった。一緒にお風呂に入り、食卓を囲み、同じベッドで寝る。クゥは相撲が得意で、康一の父・保雄も投げ飛ばす怪力の持ち主。だが楽しく暮していたある日、クゥが仲間のところに帰ると言い出した。康一は、クゥに外の様子を知ってほしいと、こっそり連れ出す。クゥは環境が大きく変わったこと、仲間が近くにいないことに驚く。見かねた康一は、クゥの仲間を探す為、河童伝説の残る遠野へ、クゥを連れて、はじめてのひとり旅をすることに。豊かな自然に囲まれた遠野は、河童が暮らすには最高の場所に見えた。きれいな川で生き生きと泳ぐクゥの姿に、「クゥ、マジすごいよ!!」と康一は大興奮。しかし河童の姿はどこにもなく、「河童を捕まえたら1000万円!!」と町の人たちが話すのを聞いただけで旅は終わった。

配給:松竹
2007年/日本/138分
(C)2007 木暮正夫/「河童のクゥと夏休み」製作委員会

河童のクゥと夏休み [Blu-ray]

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